22 Tside ページ23
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「玉森って走り方独特じゃね?」
「遅くはないんだけど、なんか遅そうな(笑)」
なんて言われてきた俺。
短距離は苦手だけど、中距離なら割と得意だから、400mを選んだ。
谷本に見られてたんだなって考えると、なんかすげー恥ずかしいんだケド?!//
黙り込む俺を、心配そうに覗き込む谷本。
「あの…?玉も…」
「見てた、よね。」
「え?うん。」
「俺、走り方…へ、ん……じゃなかった?」
「……走り、方?」
モゴモゴとした話し方になってしまった。
聞き取れなかったんだろうけど、なんだか余計に恥ずかしくなってきたし。
「あー、もぉ!!だから、俺の走り方!!変じゃなかったかって聞いてんの!!//」
勢いよくそう言えば、目を丸くして驚く。
少し考えた後、
「フォームは変わってたかも…」
…う、改めて言われると、
ダ、ダメージが…
「最悪だわ…///」
顔が熱くなるのが分かる。
やっぱり来年はリレー出ないでおこうか。
なんて考えていると、不意に谷本が、
「ちゃんと…見てたよ?走り切った後、地面に座り込んで肩で息してたの。…すごく気持ち良さそうに空見上げてたでしょ?なんか…アンカーの人より…かっこよかった、よ?/// 」
俺を見ずに、最後の方は消えそうな声でそう言った。
「あ、そ// それは、ドウモ///」
なんなの…// そんなの言う?
「…も〜!!//書き終わった?!終わってんじゃん!!!早く戸締りして帰るよ!そっちの窓閉めて!!ほらほらっ!!!」
照れてるのを悟られたくなくて、早口で谷本を急かした。
日誌と教室の鍵を職員室に返して、2人で校門まで歩く。
「谷本、家どっち方面?」
「あっち。」
帰りが一緒になるのは初めてで、もしかしたら同じ方向かなぁ、なんて。
「なんだ、俺真逆だわ(笑)」
ちょっと残念…とか思っちゃう俺。
「じゃあね。」
ニコッと笑う谷本。
ちょっと寂しそうに見えるのは、俺の自惚れかな〜?
「ほーい、また明日。」
今日…中学生活で、1番楽しかったかもな。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時