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ガラガラガラッ
予鈴の後、担任の先生が教室に入ってきて、
いつもなら本鈴までは何も言わずに教卓のところで生徒と話したり出席簿を眺めてたらするんだけど、
その日の先生はいつもと違った。
「皆、席に戻って欲しい。」
「なんだろ、珍しいね?」
「うん…。」
「まだ本鈴鳴ってないじゃん!」
「なんでー?」
クラスメイトも文句を言うけど、先生は いいから座って欲しいと言う。
全員が着席する中、1人だけ来てない生徒がいた。
後ろの席に、玉森くんがいない。
玉森くんが遅刻しているとこを見た事がない。
…玉森くん、遅いよ、寝坊したの?
先生は、教室にいる私たちをグルリと見渡した後、
信じられない事を口にした。
「うちのクラスの玉森くんが、昨日事故に遭ったそうだ。」
シンとなる教室内。
…玉森くんが、事故に?
事故…事故…?
昨日って…合格発表の日だよね?
なんで?どうして?玉森くんは?
「今のところ無事だそうだが、意識不明の重体だと親御さんから今朝、連絡が来た。」
ザワザワとしだす教室。
「マジかよ…」
「意識不明って、大丈夫なの?」
私は無意識に席を立っていた。
全員が私を見る。
「…病院はどこですか?」
「谷本…」
千賀くんが私を止めようとするけど、私は構わずに先生の元へ行く。
「お願いします、教えてください!!」
最初、困った顔だった先生だけど、普段大人しい私が必死に訴える様子に観念したのか、
病院の名前のメモをくれた。
「この時間からじゃ、休み扱いになるぞ。」
「…ありがとうございます。」
荷物も持たずに教室を飛び出した。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時