【TIME】拒絶する蝶を ページ33
クソ………
何度歯ぎしりしただろうか。
自分の手を必死に拒んでいたAの顔が忘れられない。
浪川を見て安堵した時は、思わずその場から走りさった。
俺が嫌いだからって、あの喋り方はないだろう。俺をないがしろにするような口調だった。
星降「フザけんじゃねーよ………」
喜多「まあまあ、落ち着けって星降」
俺の肩に置かれた手をふりほどく。
星降「うるせぇ！俺の問題だ」
喜多「だからって海王に乗り込んで行くとはな」
喜多が頭をかいた。
喜多「お前を止めようとした俺たちまでとばっちりだぞ」
隼総「でもそれは俺たちが不良である以上、仕方のないことだろう」
西野空「………でもさぁ、確かにAちゃんはヘンだったよぉ」
西野空は立ち上がり、周りを見回した。同意を求めるときの、西野空のクセだ。
西野空「だって僕の事も覚えてないみたいだったよぉ。『いやぁ！離してよこの金髪メガネ！』とか言っちゃってさぁ」
西野空とは恋敵だった。ゆえに西野空もかなり不機嫌な顔をしている。
西野空「なんかしっくりこないよねぇ。ただ忘れたフリをしているようにも思えないんだよねぇ」
僕の仮説だけどねぇ、と前置きしてから西野空は続けた。
西野空「天河原にいた時に、なんか事故とかで記憶喪失にでもなったんだよぉ。それで親が転校させた…とか！」
隼総「それなら黙って転校したことには説明がつくな」
喜多「だがなぜ転校させたのかはわからないだろう。…やはり、人違いじゃないか？」
星降「それは絶対にない」
俺は思わず声を張り上げる。ムキになって言い返した。
星降「俺がAを他人と間違えるはずがない！」
だが、と口を開いた隼総を西野空が遮る。
西野空「ほんとだよぉ。僕がハグしたとき、右肩のアザが見えたもん」
ハグについてはとりあえず置いておくが、右肩のアザとは蝶のような雪の結晶のような手のひら大の大きな刺青のようなくっきりしたアザである。
本人はかなり気にしており、そのアザを知っているのも俺たち四人だけだ。
喜多「なら間違いないのか………」
隼総「謎だらけだな」
口紅を塗り直しながら隼総がぼやき、喜多は戦闘靴を磨きだした。
西野空「ねぇ、もう一回行こうよ」
星降「俺一人で行く」
今日の海の男！
浪川「おい、そこのお前！…俺の彼女になれ！！」
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涙音(プロフ) - ＊文月＊〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........！実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (
レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
＊文月＊〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います！すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください！続き見たいです！ (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才！期待に胸が弾むぜ( ´∀｀)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2014年1月14日 1時
