▼渇望５__gr side ページ6
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tn「グルさん珍しく来るの早いなぁ」
kn「さては何かあったんですかグルッペンさん」
ut「部長！女の匂いがします」
gr「うるさい」
出社してすぐに言われたのは「今日なんか機嫌ええな」という大先生の一声。どうしてこんなにもこの男は勘が鋭いのだろうか。この面に関しては開いた口が塞がらない程、よく当たるのである。軽く流せば次から次へとギャラリーが増えていった。
呼んでもないのに社長室に来るのお前らくらいだぞ。
それ見ろあっという間にうるさいのが大集合した。
トントンは今日のスケジュールと仕事を持ってきたからまだしも、後二人は何しに来たんだ。
外套を脱いで座り慣れた黒の椅子に座れば、目の前には一つの書類の束が投げられた。
印刷された"IT企業とのコラボ案件について"という文字。今日は会議だったな、とぼんやり思い出した。
gr「トン氏、珈琲。甘いやつ」
tn「その前にその資料目通しといてなグルさん。あんた毎回会議で適当な事言うんやから」
gr「でも成功してる」
tn「…今回はマジな大手さんなんやって。成功したら絶対ウチの売れ行き伸びるで」
前のめりになって答えたトン氏横目に資料へと手を伸ばす。資料にはびっしりと難しい文字の羅列。
そうして書類端にあるIT企業の名前は、昨晩Aの名刺ケースからちゃっかり拝借した名刺にもあった名前だった。
自分で言うのも痛いが、これは結構運命なのでは。なんて。非科学的な事を信じる訳でも無いが、まぁ偶にはいいだろう。
少しの期待を持って頁を捲っていく。
gr「わかった、読んでおくから早よ仕事行け」
頼むで、とトン氏から再度念押しされて渋々書類を読み出す。序盤だけでも内容はかなり面白いからたしかにこれは売れ行き良さそうだな、と。
トン氏とコネシマが社長室の外へ出ていくと、大先生がデスクにことりと珈琲カップを置いた。
珍しく気が利くな、と思ったが、此奴は元がこんなんだったかと一人で勝手に理解して礼を述べる。
ut「はいグルちゃん」
gr「ありがとう大先生」
ut「いーえ。…ところで社長、その指先の噛み跡はどうなされたんですか」
gr「ぶっ、」
あぁくそ、珈琲吹いた。
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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです｡大好きです｡無理なさらず、更新頑張ってください｡ (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき！！！！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月16日 16時
