▽渇望23 ページ24
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"あらぬ噂、立てられたらお前は困るのか"
それは、どう言う意味で。
ふとした時に思う事がある。私が求めていた純粋な恋愛だけが正解なのだろうかと。私とグルッペンさんのなんでもない関係は純では無いのか、と。
運転席に座って器用に運転する彼は至って真面目そうだった。朝目を覚ませば案の定首を痛めた。
あんな冷たい床で寝るから。
『あの、グルッペンさん』
ん？、と視線だけをちらりと此方にやった彼に疑問を投げつけた。もしかすると、グルッペンさんはあれを覚えてないかもしれない。
どくどくと速くなる心臓を押さえつけながら落ち着いた素振りを見せた。まぁそれがグルッペンさんにバレているかどうかは分からないけれど。
『この前の…あらぬ噂がどうこうって話』
gr「噂？」
『いえ、覚えないのなら忘れてどうぞ』
gr「あの言葉のままの意味だが」
此方に目も負けずそう淡々と答えたグルッペンさん。狼狽えるのは私の方だった。あの言葉のままの意味、とは。ぐるぐると思考回路を回すが答えが出てくるどころか余計にごっちゃになるだけだった。
こんな車の中で、こーんな空気になるなら聞かなければ良かったと過去一後悔する。
gr「噂が立って本当になるのなら本望だ」
少しだけ口角をあげてそう言ったグルッペンさんに返す言葉は無かった。というか、なんて返せばいいのかが分からない。ろくな青春時代を過ごしていない(主にらだのせい)私がこの状況を乗り越える方法なんて知るわけも無くて。
ちょうど信号が赤に変わってグルッペンさんはブレーキを踏んだ。
グルッペンさんが此方を向いて、私はぎこちないくらいにはは、と乾いた笑みをこぼした。
gr「でも、お前は困るんだろう？」
『いやあの、あの時は…』
gr「今は2人だ。気にするものは無いゾ」
な？と首を傾げるグルッペンさんが一瞬顔を歪ませたのは多分、首が痛かったからで。忘れるなよとツッコンでやりたかったがそんな気力も無い。
『たしかに…困る、なんてある訳無いですけど。…違う、いや違っては無いけど、』
必死に言い訳を探しているとふっ、と小さく笑い声が聞こえた。
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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです｡大好きです｡無理なさらず、更新頑張ってください｡ (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき！！！！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月16日 16時
