コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

43___傷 ページ32

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歩美ちゃんと光彦君、元太君、それから園子ちゃんをジョディさん達にお願いした。私は蘭ちゃんと哀ちゃんに支えられながらゆっくり下の階まで歩いている。

恥ずかしい。



蘭「Aさん、すみません。あそこで走り出して…巻き込んじゃって」

『大丈夫、ちょっと掠った……だけ、だし』

蘭「けど…！」

『蘭ちゃんこそ、頬…。旦那に怒られない？』




「今そんな事言ってる場合じゃ！」と哀ちゃんと同じことを言われてしまった。



真純ちゃん程ではないが腕に一発掠ってました。どおりで痛いと思いましたよ、えぇ。

あと因みに、耳の傍最初掠ったと思ったのはギリギリで大丈夫だったのだが子供達を庇った時はマジで一発食らっていたらしい。



『真純ちゃん、よく耐えたな』



一般人が計二発も弾丸を喰らう…まぁ掠っただけだけど、それを喰らうとどうなるか。そりゃ当然心臓バックバックだ。

今も笑ってはいるが心臓鳴り止まないし手震えるし冷や汗すごいし…女子高生に支えられちゃってるよ。




『哀ちゃん？』

灰「無茶しないでって言ったじゃない」

『ごめんなさい…哀ちゃん顔怖い』

灰「怖いのは貴女の方よ…ゾンビみたいだわ」
『うそ』




そうだ掠ってるんだった。
あと少しでもズレていたら頭に弾丸食らって死んでいたかもしれない。そう考えるとぞっとする。


蘭「大丈夫ですか？」

『あ、うん…なんか嫌な事、考えちゃって』





それからすぐに救助の人が来てくれて蘭ちゃんと交代して私は手当てを受けた。

頭の近くを弾が掠ったって事で、念の為病院に運ばれた。初めての救急車がまさかこんな形とは…

横になって腕の手当てをされていく内にだんだん声が遠のいていく事に気づく。ちゃんと睡眠取るんだった、と何度目かの同じ後悔をしたのが最後。



私はそっと目を閉じた。









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『真純ちゃん、お見舞いに来たよ』


蘭「ちょ、お見舞いされるのはAさんですよ！」
園「もう大丈夫なんですか⁉」
世「傷は！」



あの日から数日。擦り傷だから包帯を巻いてもらって検査だけして一日入院したらオーケーらしかった。

だから退院は真純ちゃんと同じくらいだそう。



『退院おめでとう』

「「Aさんも！！」」


ありゃ、たしかに。


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