真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ28)

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旅立ちページ28

そして、あっという間に月日は流れ
今日はいよいよ卒業式。

冬の本格的な寒さも落ち着いて、
暖かい太陽の光が眩しい。

…もうあれから8ヶ月か。

校舎に入ると転校してきたばかりの頃の記憶が蘇る。

最初はこの学校に来るのが凄く嫌だった。

そういえば、二宮君が最初に声を掛けてくれたんだっけ…
初対面は感じ悪かったけど、
何だかんだで本当は凄く優しいんだよな。

グラウンドを歩いていると
相葉君大野君がサッカーをしていたのを思い出す。
あの2人、クラスは違うのに凄く仲良くしてくれたな…

なんて、ここに来てからのことを思い出す。

色々な思い出を振り返りながら歩いていると、

「あ…。」

ここだったかな…
あの日、初めて櫻井先生と出逢った場所。

もし、あの時先生とぶつかっていなかったら
私は恋なんてまだ知らないままだったかも知れない。

きっと、誰のことも好きにならなかった。

こんなに辛い思いなんてしてなかったのかな…

「はぁ…ダメじゃん全然。」

あの日、
先生に振られてから必死に忘れようとしたのに
結局私は先生を忘れられてなんかない。