寒がりな店長 ページ12
学祭から早いことに月日は流れ、来週から12月。
季節はすっかり冬に変わり寒い日が続く。
1月からスタートする大学入試もあってか、
3年生は受験生特有の受験モードに切り替わった。
そういう私はバイトと勉強の両立を頑張ってる。
松本さんは気を遣ってシフトを減らそうとしてくれるけど、バイトが息抜きになってる私は通常通り働いてる。
そういうことで今日もバイトだ。
「あーー、寒っ。こんなクソ寒い季節に
アイスティー頼むやつの気がしれないね。」
なんて、端っこの席に座ってるおじさんを見ながら
松本さんが眉をひそめてる。
「ふふ、確かにそうですけど
冬に食べるアイスって美味しくないですか？」
「いや、絶対夏でしょアイスは。
あー、アイスの話してたら寒くなってきた。」
松本さんは本当に冬が苦手みたい。
「あ、そうだAちゃん。
クリスマスの新作メニュー考えたんだけど
味見してくれない？」
「是非！新作楽しみですね。」
ちょっと待ってて、
そう言って松本さんは店の奥に入っていった。
「お待たせ、これなんだけど。」
「わぁ、美味しそう…。」
目の前に広がる甘い香り。
ホワイトホットチョコレート
温かくて、甘さも丁度良くミルクとの相性が抜群だ。
「美味しいです！これ、絶対売れますよ！」
「おっ、まじ？じゃあこれに決めた！」
松本さんはとても気合が入ってるみたい。
クリスマスか…
ふと、浮かんだのは先生の顔。
クリスマスに先生と会えるわけなんてないよね…
そう思って、すぐに頭の中からかき消した。
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作者名：cherrys | 作成日時：2021年1月10日 23時
