真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ2)

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憧れの存在ページ2

いつも先生との時間はあっという間に過ぎる。

「先生、できました。」

「お、全部合ってんじゃん。」

上出来。
そう言って最後はいつも褒めてくれるんだ。

「そういや、山田は進路どうすんの？」

先生が突然そう聞いてきた。

進路…

私には最近夢ができた。

"教師になりたい"

これは間違いなく櫻井先生の影響だ。
先生が好きだからとかそういう理由じゃない。

先生の授業はとてもわかりやすい上に面白い。
そして、何よりも生徒のことを考えている。
私が解けない問題をどうしたら伝わるかなって
いつも真剣に考えながら色々な教え方をしてくれる。

そんな櫻井先生の熱心な姿勢に憧れた。
もっと早く先生に出会えてたら、きっと私は勉強が好きになってた。

そう思わせてくれるような先生に私もなりたい。

私は櫻井先生と勉強を始めてから強くそう思うようになった。

「私、教師になりたいんです。」

「教師？」

先生は少し驚いたような顔をしてる。

「私、櫻井先生みたいになりたいんです。
今まで夢なんてなかったけど、先生に
　出会って教師って素敵だなって思いました。」

「……そっか。
　教師は良い仕事だよ。」

そう言って先生は微笑んだ。