涙雨が止むその日まで、、、3 (ページ38)

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廉のお母さんのお墓参りの帰り

突然降り出したにわか雨

急いでコンビニに駆け込んで2人で傘を買った

別に一本あれば充分だと

2人で１つの傘の中に入っている

「そういえば、廉とちゃんと出逢った日も雨だったね」

私がそう言うと懐かしむかのような表情を隣で浮かべる廉

その廉には、悲しみも苦しみもどこか吹っ切れたような清々しい表情をしていた

前に進もうとしている廉のそんな気持ちが伝わって来た

廉「そうやったなぁ」

「傷だらけでびしょびしょで何事かと思ったよ」

廉「あはは、腕折れとったからなぁあの時笑」

今考えると全然笑いごとじゃないのに、廉は少し笑った

「でも、あの日がなかったら私達今みたいな関係にはなってなかったよね、きっと」

廉「ほんまにそうやと思う。」

廉がそう言ったところで私は足を止めた

「これからもさ、泣きたい時は泣いていいよ？

辛くて苦しくて悲しくてどうしようもない時

廉が雨を降らすなら、濡れないように私はちゃんと傘をさしてあげる

だから、、、

これからも廉のそばに、、、」

そこで廉は私の話に割り込んで

自分の言葉を重ねた

廉「これからも、ずっと俺のそばにおって？」

言おうと思っていたことを言われてしまい、

少し複雑だったけど、

私は全力の笑顔で

「もちろん」と返した

廉「A、大好きやで」

ちょっぴり照れながらこっちを伺うように言ってくれた廉が可愛くて愛おしくて自然と顔がほころんでしまった

「私も大好き」

少しずつ雨は止み始め

雲の隙間から綺麗な七色の虹が見えている

こんな風に廉の涙雨もいつか必ず止む日が来る

私はその日まで

廉のそばにいることを諦めない

[fin]