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岡崎side
それから恵さんは廉くんに会いたいという気持ち１つで病院での日々を過ごした
でも、彼女の思いとは裏腹に容態はどんどん悪化していった
再会の約束も果たせないまま、おそらく廉くんは高校に入学しただろう
廉くんに連絡するべきだと何度も彼女に伝えたが、それを聞いてくれなかった
恵「約束も果たせない母親をあの子が今どう思ってるかわからない。
どうせ死んでしまうなら、廉が母親に捨てられたそう思ってるならそれでいい。
あの子には何も知らないでいてほしい。
本当のことを知ったら責任を感じてしまうだろうから」
彼女はそう言って頑なに拒んだのだ
病はどんどん進行していき、彼女は廉くんに再会するという夢を叶えぬまま1年前に息を引き取った
引き取る前に私に１つだけ頼みを残して
恵「岡崎さん、１つだけ、、、お願いがあります。
廉がもし、、、私を探して尋ねて来たら、本当のことを話してあげてください。
そしてこの手紙を渡してほしいんです。」
彼女の遺言はたった１つそれだけだった
それを受け取った私の責任はここで廉くんを待つこと
残念ながら父の工場は潰れてしまってこの地には何もなくなってしまった
でも、もしかしたらいつか来るかもしれない廉くんのためにこの場所を無くすわけにはいかない
そう思った私はこの何もない土地に場違いなカフェを建て廉くんを今日まで待ち続けた
廉くんがここを訪ねてくるこんな奇跡のようなことが起こるなんて
何度願っただろうか
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2019年3月9日 15時
