小さな幸せ 5

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早くみっくんを
助けに行かないと……



そう思ってるのに、
タイミングがわからず



やっぱりそのまま聞き耳をたてる




父「ふははっ」



北「んははっ」




え、



今、笑うタイミングあった？



なんでふたりで笑ってんの？





父「じゃ、北山くん、次ね」



北「あ、はい」




つぎ？




父「俺との勝負に勝ったら、
娘をやろう」



北「わかりました、受けて立ちます」




は？



勝負？




……てか、なにしてんの？





――ガラッ！



思いっきり、襖を開けると、




父「あ」



北「あ」




ふたりして、バツが悪そうに私を見る




私「……なにしてんの？」




……シーン




みっくんは何故か、苦笑いしてて、



父はテーブルの下になにかを隠した





私「今、なんか隠した？」





持っていたお盆をテーブルの上に乱暴に置き、



テーブルの下を覗こうとしたら



止められる




北「Aは見なくていい」



私「なんでよ」



父「お前には、見せない」




ぷぃっとする父




私「は？意味わかんない、
ちょ、みっくん離してー」



北「あははっ」




爆笑しながら、私の腕を離してくれない
みっくん




母「あら、楽しそうねー」




色紙を持って現れた母は、やっぱり呑気で




母「北山くん、これにお願いね？」



北「はい、笑」



私「もー、なんなの？」




サインをもらった母は
更に上機嫌で



母「ほら、いっぱい食べなさい」



って、みっくんが買ったどら焼きを
すすめてくるから



訳がわからないまま、
どら焼きにかじりつく




北「似合うね、笑」



私「は？」




ドラえもんじゃないし！





母「あ、Aが帰ってくるからって
お父さんが朝ね、農家で沢山もらって
きたのよー、手伝って？」




新聞紙を広げて


枝つきの大量な枝豆を出す母




でっかいゴミ袋が置いてあるなぁとは
思ってたよ、



中身が枝豆だとは思わなかったけど





北「すごいっすね、
俺も手伝います」



父「Aは、これが好きでね、
よくみんなで、こうやってむしったもんだ」



北「へー、やっぱ違いますか？
むしりたては」



父「全然違うよ、
さっき茹でたの、食べてみるか？」



北「はい、是非」



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