小さな幸せ 5

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私「お風呂入っちゃえば？」



北「ん、いい」




なんで？




北「なんかいいね、
そこでAが料理してて、
俺がここで見てんの」



私「そう？作りづらいんだけど、笑」



北「気にすんな」



私「気になるよ、笑
見てるだけなら、なんか喋ってて？」



北「なんか……ね」




……




あれ、



なに話そうか考えてるのかな？



黙っちゃった




北「……」




玉ねぎ切りながら、チラッて
みっくんを見ると



目が合って、ニコッと笑う




私「どうしたの？」



北「んーん、なんもない」




変なみっくんだなぁって
思いながら、肉をこねる



バシッ！



バシッ！




北「ふははっ、愛情込めろって」




なんか、私の肉のこね方に爆笑しだしたけど
気にしないで続ける




バシッ！




北「A」




バシッ！




北「結婚しよっか」




バシッ！



バシッ！




ん？



なんて言った？



幻聴？




私「……なんて？」




手を止めて、みっくんを見たら
見つめ返される




北「結婚……する？」



私「……」




なにを言ってるの？



思考回路がとんでしまって



言ってる事が理解できない



ご飯できた？くらいのノリで



なにを言い出したの？




北「聞いてる？笑」



私「……じょう…だん？」




玉ねぎのせいかな


首を振ってるみっくんが、


涙で見えずらい




北「冗談でこんな事言わない」




バシッ！




北「入院してる間さ、ずっと考えてた」




バシッ！




北「藤ヶ谷の奥さんのフリとかさせてたけど、
やっぱりAは俺の奥さんとして
事務所に認めてほしいって」




バシッ！




北「ここで、こうやって
Aが料理してくれんの
見てたらさ、これがあたりまえになる日が
早くこねぇかなって思っちゃったんだよね」





どうしよう



夢でもみてんのかな




バシッ……バシッ




ぎゅっ！




いつの間にか、私の隣りに並んでる
みっくんに、肉を叩いてる手を止められる





私「うぅ……」



北「約束する、俺が一生幸せにする」





ぶわっと涙が溢れて、



心臓がギューって鷲掴みされたみたいに



苦しい




.

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