小さな幸せ 5

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最悪……



せっかくお祝いしようと思って
買ってきたのに




北「A、持ってきて？」




箱から顔をあげると、
みっくんがベットから呼んでる




私「また今度」



北「いいから」



私「……ぐちゃぐちゃだもん」



北「持ってこいって」




箱をそーっと渡す




北「いやいや、今そーっとしても遅いから、笑」



私「……」




笑いながら、箱を開けるみっくん




北「おっ美味そうじゃん、一緒に食おうぜ」




ぐちゃぐちゃなのに？



プレートもひん曲がって、
34歳が3歳になっちゃったのに？




北「俺、ちょー若いじゃん、笑」



私「……3歳」



北「ぶはっ」




楽しそうに笑うみっくんに
つられて笑うと



ここ座ってって、
ずれてくれたベットの上に
狭いけど、一緒に座る




北「ロウソク立つかな、笑」




ぐちゃぐちゃのケーキに
ふたりでロウソクを立てる




こんな場所で、



こんなケーキで、



こんな誕生日、私たぶん一生忘れないと思う




北「忘れらんない誕生日だわ、これ、笑」




ボソッと呟いたみっくんに驚いて
手を止めたら、横から覗きこまれた




北「なに？その顔」



私「すごい、同じ事思ってた！」



北「ふふっ、よしできた！歌って？」



私「私が？」



北「他にいねーだろ」




みっくんの前で歌とか恥ずかしいんだけど……




私「わかった、耳塞いで？」



北「なんでだよ、笑」



私「いくよ？」



北「どうぞ？」




意を決して歌いだす




私「はっぴぃーばーすでいーー♪
きみがだいすき♪ばーすでぃつーゆうー♪
きみにおくるよ♪……」


北「待って、そっち？笑」




もちろん、みっくんとニカちゃんの
ユニット曲の方ですが？




北「あははっ、やべー普通のくると
思ってたわ」




そんなに笑うとこかな




私「これが普通なんだけど」



北「最高、」




横からぎゅっと抱きしめられた




私「私も最高、笑」




みっくんの温もりだいすきだもん





私の下手くそな歌と



ぐちゃぐちゃのケーキでのお祝いだけど




北「A、ありがとな」




みっくんが、幸せそうに笑うから
私も幸せ




私「来年は、ケーキ投げないから」



北「ふふっ、是非そうしてください、笑」




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