小さな幸せ 5

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コンコンッ！



ニ「あーけーてー！」




車の窓を叩いて騒ぐニカちゃんに、
あいつうるさいなって笑いながら
私の方の窓を開ける藤ヶ谷さん




ニ「うわ、ガン泣きじゃん、
どしたの？藤ヶ谷さんになんかされた？」



藤「なんでだよ、笑」



私「ニカちゃん達のせいだよ、
もー、こんなとこでなにしてるの？」



ニ「ふっふっふっ、じゃーん！」




うそ……



指輪……



あったんだ…………




薮「お前、なに自分の手柄にしてんだよ、
見つけたのは……」



千「俺ー！！！」



ニ「違うよ、俺があれじゃね？って」



宮「え、違うよ、俺がこの辺かなって」




ギャーギャー騒ぎはじめたメンバー達




私「……嬉しい」




みんなで見つけてくれたんだ




ニ「あーー！余計泣いちゃったじゃん、笑」



藤「良かったね、Aちゃん」




うんうんって頷くと
頭をポンポンってしてくれる藤ヶ谷さん




薮「はい、Aちゃん、
もうなくさないようにね？」




ニカちゃんから指輪をひょいって
取り上げて渡してくれる




ニ「あー！！！」



千「ニカ、うるさいよ、笑」




みんなで笑った




私「ほんとうに、ありがとう」



薮「宏光退院したら、焼肉行こうね？」



私「うん！」



藤「じゃ、ケーキ買いに行きますか」




みんなとバイバイして、
車を走らせてくれる藤ヶ谷の隣りで



私はずっと指輪を握りしめてた




みんなの温かさに、
心がポカポカする



これは、私の為じゃなくて、
みっくんの為だよね



みっくんがした事が、無駄にならない為





私「これがいい」



藤「決まった？」





藤ヶ谷さんが探してくれたケーキ屋さんで
丸い小さなケーキを買って



マンションに戻ってみっくんの荷物と
自分の明日の服を鞄に詰めこんで
車に戻る





私「お待たせしました」



藤「忘れ物ない？」



私「……たぶん」




車の中で




私「奥さん、大変ですね、
こんなお腹じゃ、動きにくい、笑」




私がタオルを詰めたお腹を撫でてると
笑ってる




藤「そうだね、それだけは代わって
あげられないしね」



私「でも、撫でてると幸せかも。
好きな人の赤ちゃんがいるって
思ったら大変なのも忘れちゃうんだろうな」



藤「すげー文句言うけどね、笑」

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