小さな幸せ 5

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薮「宏光！」




ガラッ！っと


勢いよく、ドアが開いて、


何故だか焦ってる薮くんが入ってきた




北「おぅ、ありがとな」



薮「宏光やばい、事務所のお偉いさんが
来た！Aちゃん隠れた方がいいと思う」



北「え、もう？」



薮「もう！Aちゃん早く！」




え、なになに？



隠れる？どこに？



隠れる場所とか、ないんですけど




薮「もういいよ、そこで！」




みっくんを指さす薮くん




私「え？」



北「A」




そこ？？



布団を捲ってるみっくん




慌てすぎてよくわからないまま、
みっくんのお腹に覆い被さり
布団をばさっとかけられる





バクバク



わけのわからない緊張感



はたしてこれ……正解なのか？





ガラッ！




すぐにまた開くドアの音に
息を潜める




みっくんにくっついてるのは、
非常に嬉しい



けど、布団の中は非常にあっつい





すぐ帰るかな、



これ、長い時間は無理なんだけど





北「すみません、ご心配おかけしました」



「いや、大した事なさそうで良かったよ
1週間よく休んで、またがんばってくれ、
期待してる」



北「はい、ありがとうございます」



「大した事ないわりに、すごいギブス
ついてないか？」




ギクリ……



大丈夫？これ……




北「あー、よく固定しとけば、治りが
早いって……な！薮」



薮「そ、そうなんすよ、な！宏光」




ふたり、微妙に嘘下手くそじゃない？




「そうか、まぉ、いいけど、
北山くんが助けた女の子……知り合いか？」




ギクリ……



なんか、冷や汗なのか暑いからかなのか、


汗かいてきたんだけど




「ネットですごい事になってるぞ」




薮「すごい事って、なんですか？」




「彼女なのかとか、
藤ヶ谷くんの奥さんじゃないかとか、
目撃情報とかで色んな噂が
飛び交ってる」




北「あぁ、……藤ヶ谷の奥さんです」




え……ちょっと、



なにそれ、大丈夫？




「そうか、怪我は？奥さんは
怪我してないのか？」



北「大丈夫です、ピンピンしてます」



「ならいい、良かったよ」




……そっか、



藤ヶ谷さんの奥さんは、会社に認められてる
から、ファンの人達にバレてもいいのか



だから、みっくんは嘘ついたんだ




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