小さな幸せ 3

121 〜Kiside 〜 ページ41

収録が終わって、
携帯を見ると、Aから
ミカちゃんと飲みに行くって
メールが入ってる



せっかく久々に早く帰れるかな
と思ってたんだけど、



俺の都合で振り回すわけには
行かねーし



とりあえず返信して、
ヤスにクレームのメールを
入れる




『勝手に番号教えんな』




しばらくすると、ヤスから




『なんの話？』




すっとぼけた返信




たまらず、電話をかけると
すぐに出るヤス




北「お前さ〜、さらちゃんに
俺の連絡先教えただろ」



〃教えてないけど？〃



北「え、マジ？」



〃なんで？電話でも掛かってきたの？〃



北「あぁ、かかってきた
ヤスから聞いたって」


〃あ！！ あん時か！
ごめん、携帯見せてって言われて、
見したわ〃


北「そういう事か……わかった
サンキューな」




知られちゃったら、仕方ない



けど、タチ悪すぎだろ





久々早く帰って、家でひとり
ドラマの台本を読んでる



……うち、こんな広かったっけ？



Aがいる事に慣れすぎて、
自分ちが広く感じるって



今は避難してるだけだけど、
いなくなったらどうすんの、俺



……だめかも



早いとこ、うちに引越しさせよ





余計な事ばっか考えてるせいで
台本が全然頭に入ってこない





ソファーの脇の棚に置いて、



時間を見る





そろそろ帰ってくっかな……




待ちきれず上着着ちゃってる俺
やばくない？




北「ちげーよ、気分転換だよ」




自分に言い訳しながら、
いそいそと、エレベーター乗って
外に出れば





……はい、でた〜




アトミーに腕捕まれてるA




自分でもびっくりするほど
低い声でたわ




北「ごめん、アトミー、俺んだわ」





……





うちに入れば、全身で
甘えてくるA



なんだこれ



めちゃめちゃ可愛いんですけど





久々にAを堪能しようと
甘い空気にもってったつもりが




アイスに負けるっていう大惨事




「どう？ ハートの味する？」




真剣に聞いてくる




北「ふつう〜」




ハートの味とか
わかるわけないだろうが！笑





返せって飛びついてきたAを
押し倒す




限界だっつーの

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