Stand by me 5

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携帯も変えて、仕事も辞めて



やっと、忘れたんだよ



やっと、前に進んでるの



やっと、好きな人が出来たの




翔「誰とつきあっても、結局Aと
比べちゃって、ダメだった。
その度に、やっぱりAとやり直したいって
思ってた。
ずっと探してたんだよ」




私「わたしは、もうなんとも思ってない
……もう、忘れたの」



翔「Aは、関西に住んでるの？」



私「え？なんで？こっちだけど」



翔「……大倉くんと、つきあってるんでしょ？」




……そうだった……そんな話しになってるんだ




翔「遠距離なんて、Aには耐えられる
はずがない。しかも、相手がアイドル？
うまくいくわけないだろ」



私「翔真には、関係ない」



翔「関係あるよ、やり直そう？
俺、自信あるよ。アイドルなんかより
Aの事、幸せにできる。
本気で相手にされてるって思ってる？
結婚もできない、外で一緒にいれない、
それで幸せ？」




……幸せだよ、なにを犠牲にしたって、
太輔と一緒にいたいんだよ




翔「A、目覚ませよ……
今だけだって。勘違いしてるだけだよ
遊ばれてるだけ」




……勘違い



……今だけ




わたしの胸に、深く突き刺さる




翔「A、思いだして」




腕を引っ張られて、抱きしめられる



懐かしいぬくもり



蘇る、翔真と一緒にいた時間






でも……違う



わたしが求めてるのは、



このぬくもりじゃない





私「離して」




翔真の胸を押して、抵抗する




翔「離さない、Aが戻ってくるって
約束してくれるまで」




更に抱きしめられる




私「ほんとに、やだ、お願い離して」




力で適わない事に、涙が溢れてくる





コンコンッ！



ドアがノックされ、ハッとして腕を緩める翔真



ふたりでドアを見つめる





……誰？




……ここの控え室使ってる人？





コンコンッ！


もう一度ノックされるドア






「A、いる？」




ドアの外から声がする




……太輔？

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