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え、なんでここに来んの?と思えば、ああそうかあの美奈って女が誘ったらしい。
Aが落ち着かなく周りを見ていたら俺が居る事に気づいて、大きく目を見開いた。
「照も来てたの?」
「……おう」
俺を見て、ふと微笑んだのを見て何故か優越感に浸る。
こっち来る?と言おうとしたけど、それはAの友達に遮られる。
優希とかいう先輩を紹介されてて、隣の友達を肘でこついた。
「なぁ、」
「なに?」
「あの優希先輩っての。どんな人?」
見た感じチャラいけど。
チャラくても中身良い奴はいっぱい居るからなぁ、見た目だけで判断できねぇじゃん。と思ったけど、
「ああ、あの人女遊びヤバいよ。あれ一緒に居んの浅間? んーでも、先輩のタイプではなさそうだけど…」
「もういい」
それだけ聞いたら十分で、あの先輩をAに近付けたらヤバいのは分かった。
暫く様子を見ていればAの表情が引き攣ってるのが分かるのに、それでもAはヘラヘラ笑って我慢していた。
我慢するくらいなら嫌ってなんで言わないの?
「あの、先輩。お水飲みますか?」
「えぇ、良いよ。まだ飲みたいくらいだし、それより」
「あーはは、えっと…」
俺から見ていれば、先輩の体がゆっくりAに傾いていってるように見えて、「ごめん先帰るな」と誘ってくれた友達に断りを入れて行動に移すことにした。
ほんとはこの先輩のチャラけた頭を鷲掴みにしてやりたいところをグッと堪えて肩を叩く。
「そろそろ終電なくなるんで、こいつ連れて帰りますね」
「もうそんな時間? てか、連れて帰るって、」
「家同じ方向なんスよ」
「あー、そうなんだ?」
「は、はい。すみません、帰ります」
ほらこの邪魔してんじゃねぇよ感。
お前完全にロックオンされてんだけど分かってる?
それにここに来て気づいたけど、先輩の手がAの太腿に触れていること。
そこまでされても笑っていられたの?
だんだん腹の底から沸々と沸き起こるイライラ。
店を出てもAを待つことなく歩き出せば、バタバタと足音が近付いてきた。
「照。ありがとう」
なにがありがとうだって。
「………あのさ、」
こてん、と首を傾げて俺を見上げてたAを見て完全に頭に血が上った。
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ゆきんこ(プロフ) - みぃゆさん» コメント有難うございます☆そう言ってもらえて嬉しくて書いて良かったなと思っております!伏線回収するのが私自身楽しかったのでそこを意識してもらえて良かったです!他の作品も気に入ってもらえると良いなと思います!有難うございました(o^^o) (2021年6月10日 6時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
みぃゆ(プロフ) - シリーズ完結おめでとうございます。全部幸せになれる作品ばかりで、本当に楽しかったです。伏線回収が色んなところにあって、見つける度に「おぉ!」と思いながら読んでました。これからゆきんこ様の他の作品も読みたいと思います!本当にありがとうございます! (2021年6月9日 23時) (レス) id: 3958fa175b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 智希さん» 智希様!すみません!お返事返すの凄く凄く遅くなってしまいました。シリーズ全て追いかけてくださり有難うございました!私自身伏線を回収するのが楽しかったので機会があればまたこういったものが書けたらなと思ってます!本当に有難うございました(^^) (2021年6月8日 9時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
智希(プロフ) - ゆきんこさん!お久しぶりです!全ての完結おめでとうございます!紫さんの時からずっと見させて頂いていたこのシリーズ。毎回ここで繋がるんだ!とか伏線が回収されていたりだとかですごく楽しかったです。終わってしまうのが寂しいです。また別の作品もお邪魔します! (2021年5月5日 7時) (レス) id: ccf4f23953 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» 最後までご愛読下さり有難うございました(^^)書いてきた私も嬉しいような淋しいような気持ちを味わいました!始めて1人1人と向き合って書いたので思入れも多い作品です。お暇な時にでも、またみぃ。様のお供になれたら嬉しく思います!! (2021年4月18日 9時) (レス) id: e0fcc6876b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年4月5日 9時