出会い 工藤新一篇 ページ27
夕食はどうしようか、という話が上がりだした頃、リビングのドア近くに置かれている電話が音をたてた。
これまたオシャレな電話だなあ、とAは思った。新一が立ち上がって受話器を取る。
「もしもし…あぁ、博士か。え？…マジで？じゃあそうするかな。あ、もう1人分、用意できるか？…いや、いろいろあって…同居人ができたんだよ。…バーロ、親父達の知り合いなんだよ。とにかく、今から行くから。…おぉ」
ガチャ、と受話器を置き、新一は振り返った。
「出かけるぞ。夕飯、隣の博士がご馳走してくれるってよ」
『博士？』
「阿笠博士。結構いろいろ発明してる研究者だけど、まあ作ってんのはガラクタばっかだな。会ったら紹介してやるよ」
『夕飯ご馳走してくれるってことは、いい人に違いないね』
「そりゃ、悪い人じゃねえけど。親父達がほとんど家にいねーから、たまに飯食わしてくれんだよ」
『おぉーなるほど』
「ガキの頃から世話にはなってるな」
マグカップをシンクに置いて、玄関で靴を履く。新一がドアに鍵をかけた。
『…ってことは、新一の小さい頃も知ってるのか』
「…変なこと聞くんじゃねーぞ」
『それは保障しかねる』
「…おい」
隣りということもあり、1分足らずで到着した2人。新一はインターホンを押すこともなく、そそくさと中に入っていった。Aも着いていく。
「おーい博士ー。来たぞー」
「おぉ新一！こっちじゃ！」
すでに料理の準備はある程度済んでいるようで、阿笠博士はダイニングテーブルにお皿やら料理やらを並べていた。
「おい博士…またこんな塩分高いものばっかり…」
「はっはっは、いいじゃろうが！老後の小さな楽しみなんじゃから！」
確かに、テーブルに並ぶ料理はどれも塩分やカロリーの高いものばかり。おいしそうではあるものの、現れた阿笠博士の体型を考えると少々不安である。
『あの…はじめまして、中屋Aといいます』
「おぉ君が…って新一、年下じゃないか！しかも女の子じゃろ！」
「だぁかぁらぁ、お袋が無理やり仕向けたんだって！」
『あはは…』
その後、夕食前に済ませておこうということで、阿笠博士に私の話をした。
海外で工藤夫妻と旅をしたこと、探偵をしていること、高校卒業資格を持っていること、今回のキッドとのこと。両親の話もした。
阿笠博士は、4人目だった。
そう、彼は彼女の境遇に、同情も哀れみも一切向けなかったのである。
―――
新一篇長い…劇場版までしばしお待ちを
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - コナン大好きです漫画とアニメと映画見るくらい大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年11月10日 10時) (
レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
☆藤井伶菜☆(プロフ) - 高校卒業資格のところですが高橋沙羅じゃなくて高梨沙羅ですよー (2017年2月27日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
とみ - 一瞬で気づくのすごい (2016年4月22日 11時) (レス) id: 86e9b475ac (このIDを非表示/違反報告)
PIRANIA同盟 - わぁーーーー！！ マジで神小説ですっ！！！！ 何度も１から読み返してます…(照/// 応援してます。 どんどん新作出してください！！ (2015年10月31日 13時) (レス) id: 6a6985e085 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - ひとつだけ言わせてください！新一はお母さんのことを「お袋」じゃなくて「母さん」って言ってますよぉ。 (2015年5月7日 20時) (レス) id: e6681ad596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kaka | 作成日時：2013年5月10日 15時
