出会い 怪盗キッド篇 ページ13
『うん？…例の宝石じゃん』
「その宝石は救いを求めていないようなので」
『…偽物かよ』
100年近く保管しておいて、それが偽物とは。怪しく光るその宝石を、Aは上着のポケットに突っ込んだ。
「んーじゃ、またなA！」
『おー下手やって捕まらないようにねー』
〔んなヘマやんねえっつの〕とぼやいたキッドは、そのまま足を柵にかけ――
飛び降りた。
下にいる警官と、高校生探偵がそれに気づいて〔キッドォォ！〕と声を上げる。
キッドは得意げに翼を広げ、飛んでいった。
『さて、と』
Aはキッドを見送ると高校生探偵と話すために屋上をあとにした。
――
『いやだから。私は探偵ですってば』
「探偵ィィ？お前まだ中学生くらいだろーが！」
『えぇ13ですよ！なんですか、中森警部はアレですか人間を年齢で差別しちゃうようなクズなんですか』
「はぁ！？んなこと言ってんじゃないんだよ！」
キッドが翼を広げれば、もう捕まえる余地はない。
それをこれまでの経験から悟っていたらしいキッド担当の刑事――中森警部。
彼は、飛び立ったキッドを部下数名に一応追わせ、自身はホテルに残って従業員に話を聞こうとしていた。
そしてホテル内に入って特別展示室に入り――老人と話をしているAを発見した。
『――というわけで、キッドはこれを私に返していったんですよ。持ち主は渋谷さんですから、とりあえず渋谷さんにお返ししようかと』
「ほぉ、キッドが…すまんのぉ、お嬢さん」
『いえいえ。大切な家宝が盗まれずに済んでなによりです』
「本当に…あぁ、刑事さんかね！？」
大勢の警官に気づいた――宝石の持ち主である、渋谷ご老人の声に、Aも視線を投げる。と、同時に中森警部に詰め寄られる形となり―――
「だから！なんでお前みたいなガキがこんな時間にこんなところであんな奴に会って宝石を取り戻してるんだって聞いてるんだよ！」
『ちょっともう、句読点のひとつでも入れて喋ったらどうです！？何度も言ってるでしょ！私は探偵！キッドを屋上で追い詰めたけど、あいつはまんまと逃げた！それも、私の上着のポケットに宝石を返してね！』
キッドとはいろいろ話をしたものの、そんなことを渋谷ご老人や、刑事に話せばいよいよキッドの仲間だと思われてしまう。Aはそう考えて、キッドとの出会いと宝石の返却について脚色を織り交ぜたのだ。
―――
次！次でやっと、彼が喋ってくれますよ！←
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - コナン大好きです漫画とアニメと映画見るくらい大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年11月10日 10時) (
レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
☆藤井伶菜☆(プロフ) - 高校卒業資格のところですが高橋沙羅じゃなくて高梨沙羅ですよー (2017年2月27日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
とみ - 一瞬で気づくのすごい (2016年4月22日 11時) (レス) id: 86e9b475ac (このIDを非表示/違反報告)
PIRANIA同盟 - わぁーーーー！！ マジで神小説ですっ！！！！ 何度も１から読み返してます…(照/// 応援してます。 どんどん新作出してください！！ (2015年10月31日 13時) (レス) id: 6a6985e085 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - ひとつだけ言わせてください！新一はお母さんのことを「お袋」じゃなくて「母さん」って言ってますよぉ。 (2015年5月7日 20時) (レス) id: e6681ad596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kaka | 作成日時：2013年5月10日 15時
