彼のミルクティー。

#milky ページ45

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ポンっという機械音が
スマホの通知を知らせる。



部屋着に着替えてベッドに倒れこんだ私は
スマホを手にとって、その画面に目を見開く。







「け、健人くん！」




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クラスのグループから追加してくれたのか、
新しい友達欄に Kento と表示されている。







ポンっとまた通知がくる。




Kentoさっきはごめんね
Kento雨、大丈夫だった?




びっくりしてスマホを落としそうになった。

さっきまで暗かった気持ちが、
急にピンク色になって膨らむ。


A大丈夫だよ ! わざわざありがとう





勢いで送っちゃって後悔する。
変じゃないかな。なんて


他の誰にもこんなこと思わないのに。



不意な瞬間に好きを自覚させられて、
勝手に顔が熱を持つ。


Kentoそれなら良かった。また今度一緒に帰ろ !







一緒に帰ろ、って。

文字列さえも愛おしくて。






「健人くんって、無意識なのかな。」


「私の気持ちなんか知らずに、」




罪な男だーー！！！

枕に顔を押し付けて、足をバタつかせても、
幸せな感情はなかなかおさまらない。



Aうん ! 絶対 !





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可愛らしいクマが手をあげてよろこんでる
スタンプが届いて、口元が緩む。





好き。







んふふ、と微笑みながら
スマホの電源を切ると、



嫌なことを思い出す。





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ゆりなちゃんに、負けたくないよ。



"遠慮してる余裕、あんの？"


佐藤くんの言葉が、胸に残った。




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