彼のミルクティー。

#milky ページ40

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「Aちゃん、」

「書類まとめるの手伝ってもらってもいい？」




「あ、うんっ」



机の上に山積みになった、
体育祭の要項の用紙。

全校生徒分。







気が遠くなる…。

窓から覗く灰色の空が
重い雰囲気を作り出す。





風磨と聡くんは買い出しで
マリくんはパソコンに向かってて静かだから

ホッチキスの音と雨の音だけが部屋に響く。






(佐藤くんは小説を読んでて腹立つ)





.








「Aちゃんは」


「何の競技にするの？」





初めてすぐ、もう集中が切れてきた私に
健人くんが優しくふわりと微笑んだ。





「…うーん、借り物競走かな」



私の声に


「僕、お題考えたい〜」


とマリくんがパソコンから目を離して
椅子をくるりと回転して健人くんを見る。




「いいじゃん、」


「マリが考えるお題おもしろそう笑」



健人くんが、んふと笑って頷く。







「やった！」


「楽しみにしててねAちゃん！」



ふにゃりと天使みたいな笑顔を浮かべるから
つられて笑顔になって頷いた。






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「俺は何にしようかなっ」


健人くんがぷくっと頬を膨らませて
悩んでるような表情。





可愛すぎる…





「健人くん、リレー出たらいいのに。」


「去年すっごく速かったから、」



「見てくれてたの？」


私がこくんと頷くと、
目を細める健人くん。





「じゃあ今年も出ようかな」


ふふふ、と笑う健人くんが
顔を上げたから目があった。







楽しみだなあ。









体育祭に波乱が待ち受けてると知らずに、
私は呑気に微笑んだ。


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