彼のミルクティー。

#milky ページ15

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どうしよう、と思ってたら
今まで寝てた風磨の背中が
むくりと起き上がる。


その背中がゆっくりと振り返る。



昔から、私が分からない問題があると、
風磨はこっそり答えを教えてくれる。




「山城さん、これ」


その声に、振り向こうとした
風磨がまた机に突っ伏した。




中島くんが
コンコン、と手でノートを叩く。



「これ、書いておいで。」






「え、いいの?」



中島くんを見ると、彼も私を見ていて、
思ったより近い距離に心臓が跳ねる。




私がそのノートに書いてあった
式をスラスラと黒板に書くと、
先生は目を丸くする。



「正解だ。よく出来たな、」



さすが中島くん。


その声に、中島くんと目があって
中島くんがいたずらっぽく笑うから、
私も笑顔になった。




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机に戻ろうと歩き出すと、


「ばっかみたい。」


と、小さな声が聞こえた。





その声のした方を見ると
去年まともに話したことがなかった彼が
私を呆れたような目で見ていた。







由奈が言っていた、彼。

容姿端麗。成績優秀。スポーツ万能。





佐藤勝利。

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