それ一緒にやらせて下さい3

-見て学ぶ ページ6

.


『見学、ですか？』

今日はもうバク転の練習はできないということを受け入れた私が次にどうするべきかを考えていると、向井さんから"見学"という提案を出される。

向井「見るのも勉強やから」

『なるほど』

帰っても練習をするという選択肢はないし、残ってもこの腕では補助をすることもできない。

・・・補助できても怪我させちゃいそうで無理だし

『見学します』

・・・でも、その前に

向井「行ってきや」

向井さんに背中を押され、ラウ君と練習をしている目黒さんの元に向かう。

『目黒さん、今、ちょっと良いですか？』

練習中のため少し距離をとって声をかけると、目黒さんとラウ君が動きを止めてこちらを見た。

ラウ「良いよぉ」

目黒「お前が答えんなよ」

少し緊張する私を和ませるように、おちゃらけるラウ君が天使に見えた。

目黒「何？」

大きく1歩近寄り、頭を下げる。

『さっきは、私のことを思って言ってくれてたのに、意地になっちゃってて、その、すみませんでした』

目黒「で、どうすんの？」

頭を下げているため、目黒さんの表情は分からない。

声色は、先程よりも穏やかな気はする。

『お邪魔でなければ、練習を見学させてほしいなと思ってます』

そう言って頭を上げると、怒っているわけでも笑顔なわけでもない、真顔といえば真顔だが、少し柔らかい雰囲気を含んだ表情を目黒さんはしていた。

目黒「見てるだけなら邪魔にはならないでしょ」

『・・・えっと』

・・・これは、許してくれたってことかな？

・・・もう、怒ってない？

はっきりとした言葉がなく、私を許してくれているのか否かが分からない。

・・・この流れは、許してくれてる感じだよね？

そんなことを考えていると、目黒さんが顔を顰めた。

目黒「え、何？ 見てるだけでもうるさい人なの？」

『いや、そんなキャラではないつもりです』

・・・てか、見てるだけで煩い人ってどんな人よ？

・・・ガヤ的な？

目黒「あ、そういや雑誌の時、見てるだけでうるさかったわ」

目黒さんの言葉に、1週間前のSnowManの雑誌撮影での河内さんからの無茶振りが頭を過ぎる。

『目黒さんの時は騒いでないですよ。黙って見てたじゃないですか』

目黒「あのガン見はうるさかった」

『主語と述語が合ってないですよ？』

目黒「しゅごとじゅつご？」

『え？』

目黒「・・・え？」

『・・・』

目黒「今、絶対失礼なこと考えたでしょ？」

『ソンナコトナイデスヨ？』

目黒「舐めてる」



.

-仲良し？→←-焦る理由

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す