-不思議な気持ち ページ45
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呼び名の件も一段落し、次から次へと運ばれてくる料理を堪能するうちに、案の定最後まで辿り着くことなく胃袋の限界がきてしまった。
『こんなに美味しいのに、こんなに美味しそうなのに、これ以上入らない・・・』
渡辺「自業自得じゃん」
『わた、翔太君だって少食じゃないですか』
渡辺「俺は自分の分は食べれてるし」
得意気に海老の天ぷらを頬張り「うわっ」とリアクションする翔太君を恨めしく睨みつける。
佐久「お持ち帰りする?」
阿部「いや、テイクアウト用じゃないから、お持ち帰りはできないと思うよ」
『ラウ君まだ食べられる?』
ラウ「俺は食べれるけど・・・」
『これを食べて、私の無念を晴らしておくれ』
戸惑った表情で「いいの?」と問うラウ君の視線は岩本さんや向井さんに向けられている。
向井「入らんもんはしゃーないし、勿体ないからな」
ラウ「じゃあ、いただきまーす」
向井さんの許可を得て、ラウ君の前に私の分の天ぷらを器ごと移動させる。
ラウ君はホタテの天ぷらを1口食べると、瞳をキラキラと輝かせた。
ラウ「美味しいよ、Aちゃん!」
深澤「良かったなー、ラウ」
『スクスク育ってくれたまえよ』
岩本「さっきからそれ何キャラなの?」
『ラウ君を愛でるキャラ?』
渡辺「ご飯押し付けてるだけだろ」
『違いますよ。需要と供給の一致です』
阿部「それもなんか違う」
そんなやりとりをしながら、次にまた運ばれてきた料理を見ていると、私のスマホにメッセージでも入ったのか、鞄の中に入れていたスマホの画面が数秒明るくなった。
その明かりを目の端で捉えると、スマホのボイスレコーダーのアプリが頭を過る。
そして目線を上げると、当たり前だがSnowManのメンバー9人が視界に入り、不思議な気持ちになった。
つい2ヶ月前まで私は一般企業のOLで、画面越しでしかSnowManを見たことのない、いつかコンサートや舞台で会いたいと思いながらも、こんなふうに会話をしたり笑い合ったりすることなどできるはずもない存在だった。
そんな私を、嘘の上でではあるが、彼らは受け入れようとしてくれている。
手に入れたわけでもないのに、この居場所を失いたくないという気持ちが湧き上がりそうになる。
宮舘「どうかした?」
宮舘さんに声をかけられ、ハッとする。
『あ、いえ、その、皆美味しそうに食べるから羨ましいなーと、思って』
向井「食べたいもんあるんやったら食べて良えんやで」
『・・・キャパオーバーです』
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あやのぱんだ(プロフ) - ちなこさん» 更新も返信も遅くてすみません。面白いと言ってくださり、ありがとうございます!しっかり完結できるように頑張ります! (2021年5月17日 20時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - すっごく面白くてとても好きな作品になりました!!更新楽しみにしています! (2021年4月27日 1時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - わかりました。焦らなくていいのであやのぱんださんのペースで書いてください。次のお話楽しみに待ってます。 (2021年4月14日 0時) (レス) id: bc7370604c (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます。公開できるまで話がまとまったら公開させていただきます。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - りんかさん» 時間がある時に少し書いて保存をしているので、そのせいかと思います。ただ、まだ公開できるほどまとまっていないので、、。お待たせしてすみません。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやのぱんだ | 作成日時:2021年3月9日 0時