それ一緒にやらせて下さい3

-私の決め事 ページ15

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『ですね。うん。"佐久間君" で』

佐久「あらら、やっぱそっちにしちゃう？」

『私1人が "大介君" って呼んでたら浮いちゃいますから』

佐久「まぁね〜。じゃあ、俺も "A" って呼ばない方が良い？ 嫌？」

そう聞かれ、慌てて否定する。

『嫌だなんてそんなことないです。ラウ君も名前で呼んでくれてますし』

佐久「おうおう、流石だなラウール」

『最初は凄くよそよそしかったですけどね』

佐久「ラウール、人見知りだからね」


そんな会話をしていると、時計が目に入る。

『あ、時間』

佐久「あ、そうじゃん」

荷物をまとめていると、佐久間君に改めて「送ってく」と言われ、躊躇った。

『いや、でも・・・』

10人での合わせの時に、渡辺さんに深澤さんとのスキャンダルを指摘されたことが頭を過ぎったのだ。

それに気づいたのか佐久間さんも「あー、なるほどね」と、少し考える様子を見せた。

『どうしたんですか？』

佐久「んー？ ふっかとのこともだけど、何もないことでもこうやって冤罪って生まれるんだなーと思って」

『冤罪って、大袈裟ですよ』

佐久「Aももう分かってると思うけど、アイドルにとってスキャンダルって死活問題だからさ」

『そうですね』

佐久「俺も何も考えないで簡単に "送ってく" って言っちゃったし、ふっかのこと言えなくなっちゃうな〜」

『・・・そうですね』

佐久「メンバーなのにね」

私の帰宅準備が整い、部屋を出る。

そして、佐久間君はまた何か考えているようで、会話のないまま2人で廊下を歩いた。


佐久「うん。メンバーなんだから大丈夫か」

『何がですか？』

佐久間君は、何か結論を出して納得した様子を見せている。

佐久「だって、ふっかとのこともメンバーだからっていう方向でいくんでしょ？事務所がその対応で問題ないって考えてんなら、男女関係なく他のメンバーと同じように接してもOKなんじゃない？」

・・・それは、どうなんだろ？

『だとしても、私はSnowManのファンの人達に、私もSnowManだって認めてもらえるまでは紛らわしいことはしないって決めたので。ご協力していただけると有り難いです』

佐久「"紛らわしい"って、例えばグループ内恋愛を疑われるようなってこと？」

『そうですね』

佐久「・・・分かった」

『ありがとうございます』

そんな遣り取りをしていると出口まで着き、私は佐久間君と別れた。

その後、佐久間君が不安気な表情で遠去かる私の後ろ姿を見ていたことを、私は知らない。



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