検索窓
今日:7 hit、昨日:33 hit、合計:84,440 hit

green eyes ページ21

.


「ええっ!じゃあ幼馴染ってこと?」


抜けるような青空に、おれの素っ頓狂な声が響いた。


「そう(笑)幼稚園からの腐れ縁」


誰もいなくなった屋上に足を投げ出して座って、長身の彼…相葉雅紀はニコリと笑う。

さっきまでの穏やかな雰囲気とは一変して、ラフで自然体な感じ。


「幼馴染が居るなんて知らなかった、なんでアナタずっと黙ってるのよ…?」


ダンゴムシみたいに丸まりながら、

セメントの地面に尖った石をこすりつけて、何かを描いている智のお尻を

ぱん、と強めに叩くと、


「だって聞かれなかったんだもん」

と、口をとがらせる。


ガリガリ、と音を立てて、薄くセメントが削れていく。

描いているのは人間の眼のようだ。それも片方だけ。


「コレ相葉ちゃんの眼」

「お?ほんと…?オレの眼こんなにきれいじゃないでしょ(笑)なんか光ってない?」


智が相葉くんを見るときの表情は、安心しきった子どものようだ。

幼稚園からといったら、もう10年以上の付き合いになるのか…それくらいの時を一緒に過ごせば、この智を手なずけることも可能かもしれない…

それにしてもよく相葉くんはウンザリせずに付き合ってきたな…この人と…

彼の温かな人柄のなせる業なんだろうか。


「きれいじゃん」

「え、…うわっ、大ちゃん」


智が、座っている相葉くんの上半身に飛びついて、黒目がちな目を覗き込んだ。

勢いあまって、押し倒す形になる。


「…緑、ホラ…みどりが見える…奥に」


うっとりとした表情で相葉くんの眼を覗く智。

感動に打ち震えたような表情になっていて、

あ、これは…”好きなもの”を見るときのカオだ、と瞬時に思った。


「智!待っ……」


引きはがそうとしたときには、もう遅くて


「…ちょ、大ちゃん、…!やめ……」


ぱく、と食むように相葉くんの眼に 唇をつけた智は

衝撃でぎゅっと閉じたそれの、縁どられた睫毛に 熟れた果実のような舌を這わせる

「あけて…」と乞うように言い、震えながら開かれた目の端を 大事そうに親指で撫で

同じところを

ちゅ…と軽く優しく吸い上げた。



「智!!」




俺は、相葉くんの上に乗ったその軽そうな身体を

ほとんど抱くようにして引きはがすと、


「智、ほらアレ、ひこうき!…ひこうき雲までついてるよ?行っちゃうよ?」


ちょうど真上の上空を飛んでいた飛行機を指差し、矢継ぎ早に言った。



.

plane→←brother?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
185人がお気に入り

アイコン この作品を見ている人にオススメ

設定タグ:大野智 , 二宮和也 , 大宮
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きんにく | 作成日時:2020年4月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。