検索窓
今日:38 hit、昨日:21 hit、合計:18,826 hit

last wall 32 -side 2- ページ10

あーもうタマ、マジで最悪。

なんでAに言っちゃうかな。



「そんなに私に会いたかったんだー?」

電話を切ってからニヤニヤして言うAに

「だったら何?一度LINEしてるじゃん」

ぶっきらぼうに答えてもAはニヤニヤし続ける。



「ねぇねぇ、ホント?」

「しつこいよ」

「んふふふふっ」



あーもう、最低。

と、思ってたけど
よく見るとAはものすごく嬉しそう。



「高嗣」

「なに」

「私もね、本当は会いたかった」



ニヤニヤもよく見るとニコニコなのかも。
本当に嬉しそうで
美味しいお酒飲んでる時と同じ顔。



そしてAは

「甘ったれな私を見せたくなくて、我慢してたの」

なんて言い出す。



今さら?



「は?A、ずーっと甘えん坊じゃん」

「そんな事ないもん」

「あるから。ヤバいよ、自覚ないとか」



ついつい口調が冷たくなるとAちゃんがすごくむくれてるけど

「ただね、甘えてるA、めっちゃ可愛いよ」

頭を撫でたら

「私の方がおねーさんだからね!」

Aは必死に抗議してくるけどそれこそ笑っちゃうし

「じゃあ、ここおいで?おねーさん」

ソファに座って膝の上を叩くと
普通に乗って俺に抱きつくAの一体どこがおねーさんなんだろう。



「高嗣」

「んー?」

「私はおねーさんです」

「はいはい」



何その英文和訳みたいな言い方。



笑っちゃいながら抱き返して

「甘ったれなA、大好きだよ。なかなか素直にならないとこも全部。他の人が俺よりAに詳しいとムカつくくらい、Aが好き」

妬いてるのを伝えるとか恥ずい。
けど、ちゃんとAに俺がAの事めちゃくちゃ好きな事を伝えないと
Aはまた我慢しちゃうから。



ギュッて抱き締めたら

「私も、高嗣が他の女の子と飲むとか嫌だよ?」

Aは寂しそうに言うし

「え、そんな事してないよ」

「男の子に飲みに誘われたとしてもそこに女の子が居たら嫌。高嗣取られちゃう」

なんて
そーいえば飲みに誘われた時に女の子が居るって写真送られてきた事あったな、って事まで言い出す。



「大丈夫。A以外に好きな人出来ないよ」

「………」



返事をしないでギュッて抱きつくAの
何処が甘えん坊じゃないって言うの?



そんなAは俺の首に鼻を寄せて

「高嗣の香り、落ち着く」

なんて甘く言われたらドキッとしたけど。



俺もAも
お互い我慢する必要ないんだなって改めて思って幸せだった。

last wall 33 -side You-→←last wall 31 -side T-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
271人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。