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last wall 40 -side Ki- ページ18

みやっちの家には結局2回泊まった。
1回目はみやっちの家に着くなり爆睡しちゃったから。



Aが居ない生活の方が長いのに
誰かが居る、って安心感が半端ない。

いつの間にこんなにAに依存するようになってたんだろ?
親が離婚してからAのいない生活の方が長かったのに。



「すごいね、電池切れたみたいにソファに座るなり寝てたよ」

最初に泊まった時にそう言って笑うみやっちは

「うちで良かったらいつでも泊まりに来なよ」

寝落ちした俺を責めなくて。



みやっちの家に泊まって熟睡したのをきっかけに
夜に熟睡する生活に戻れた。

何かあったら頼れる存在か出来たのか大きかった。



「ありがと、みやっち」

「いーえ。俺が困った時はキタミツに甘えるから覚悟してね?」



改めてお礼を言うと
優しいみやっちには感謝しかない。

マジで有難い。



2回目に泊まった時は早めに仕事終わったから
見る予定だったアニメを見てから寝るまでみやっちと飲む。

なんならうちに帰っても良かったけど、やっぱりみやっちの存在が落ち着く。
いろんな話をするうちに楽しくなってきちゃってそのまま泊まることにして
みやっちと深酒する。



だいぶ酔ったからだろう。

「やっぱA居ねーと寂しいんだよ」

本音が出た。



「いない人生の方が長かったのにねー」

「な。……つーか、ココ数年のAとの生活が濃かったんだよ」

「あー、なるほどね」



みやっちは否定しない。
なんでも受け入れてくれちゃう。

だから話しやすくて。



「Aさ、ホントは俺にずっと我慢してる事あるんだと思う」

「我慢?」

「それが何かはAはぜってー言わねーんだろーけど、ぜってーあんの。我慢してる『何か』が」



少し前から思ってた事。
Aが怒る沸点がおかしい。

メシの事で普通そこまで怒るか?



ただ、何かが引っかかる。
俺は何を忘れちゃってるんだろう?

Aは聞いても答えてくれねー気がする、
忘れてるから、ここまで拗れたんだし。



「んー、それって何なんだろうね」

「それが分かったら苦労しねーよ」

「だよねぇ」



一緒に首を傾げる宮っちに話せて相当気が楽になった。

気持ちの整理が出来てシンプルにAとちゃんと話したい、って




それから数日後に
ニカたちがAが元カレに会ったとか言い出しててさすがにざわつく。



「いいの?このままで」



ニカに言われてようやく首を横に振れた。



Aに、会おう。

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作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

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