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last wall 39 -side 2- ページ17

「「おつかれー」」

今日の最後の仕事であるメンバー全員揃っての収録を終えて
トイレ経由で千賀と控え室に戻ると一足先に帰ってたミヤから

「んー、今日も楽しかったねぇ」

ニコニコ話しかけられて

「あぁー、今日収録押したからゲームやる時間短いわー」

タマがボヤきながら衣装を着替えてる。



兄組は黙々と帰る支度をしてて
ミツはミヤの言う通りピーク以降少しは寝られるようになったのか
だいぶ顔色も良くなってきたっぽい。



着替えの近くにあったスマホをふと見るとLINEが来てて。
開いたらAからだった。



A元カレにまた会いました。

彼が追ってきたら危ないので
今日明日はホテルに泊まるね。

彼は明後日帰国するからちゃんと日本から出るのを見てから
高嗣の家に帰ります。




え、何コレ!

「はぁっ!?」

思わず声が出たのと

「ニカ?Aちゃん大丈夫?」

タマがスマホを見て驚いた声を出したのはほぼ同時。



ミツがこっちを見てきたのも感じたけど

「え、タマのところにはなんて?」

「なんか元カレとまた会って、前いた国にAちゃんも戻って一緒に仕事しないか、って誘ってきたって」

「え!!」

マシで!?



でもAからのLINEを見る限り

「それは行かないみたい」

「そうなんだ。良かったぁ」

タマがホッとした顔をしてると

「え、Aちゃんと元カレ偶然会ったの?」

ミヤが話に入ってきた。



「それは分かんないんだけど……」



答えながらもう一度LINEを見ると
彼が追ってきたら危ない、って言ってきてるってことは
偶然じゃないってAが気づいてるからで。

敬語なところから緊張感は伝わるし
見送ってから帰る、ってところに俺のところに帰ってくるつもりなのも伝わるけど。



元カレってそもそもヤバい人だったよね。

それにA、気が変わったりしないかな。
一度は好きだった人なんだし。

性格上、我慢しまくるAは
本当は元カレへの気持ちを我慢してたんだとしたら?



どうしよう。

もしかして気が変わってAが元カレについてって
もう会えないかもしれない。



でもそれより

「気になる?」

視界に入るのは何とも言えない顔でこっちを見てるミツ。
ミツは元カレとAが再会した事すら知らないもんね。

「Aが我慢しぃなの、ミツが一番知ってるでしょ?」

ミツに聞くとミツがバツの悪そうな顔でこっちを見て。



「いいの?このままで」



最後のチャンスかもだよ?

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作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

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