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そして
どんなにAちゃんがミツを優先してもミツに対する嫉妬は無かった。

いや、無かったと言ったら言い過ぎだけど
Aちゃんが俺を大好きなのが
手に取るように分かってたから。



何故って……



泊まりに来たAちゃんは大抵並んで寝てるのに
少しすると

「んーー………」

甘えるように俺にくっついてきたかと思うと

「ニカぁ…大好きぃ………」

すごく幸せそうな顔で言う。



いつもシュッとしてるのに
甘えてくる時のゆるゆるの顔が堪らない。

Aちゃん、
めっちゃ俺の事好きじゃん、って思う。



Aちゃんは俺にくっついて爆睡した後
起きる頃に離れてくから
Aちゃんは多分寝てる間ずっとくっついてることに気づいてないだろう。



そしてずっと変わらないのが
辛くて堪らない時の行動。

突然ミツんちに変な人が来て怖かった時もそうだけど
Aちゃんは目にいっぱい涙を溜めて黙って見上げてくる。



あぁ、何かあったんだな。

だから黙って腕を広げると
Aちゃんは飛び込んでくる。

これが堪らなく可愛い。



黙って抱き締めてると少しして

「また嫌なこと言われた」

小さく言う。



前にも言ってたリモートで嫌なこと言ってくる人かな。

よっぽど嫌だったのか
前は腕を広げたら戸惑ってたのに今回は迷わず飛び込んできた。

ほら、コレが限界きてる証拠。



「同じ人?」

「うん、そう」

「え、もう取引辞めちゃダメなの?」

「いま抱えてる仕事終わったら更新やめる」

「あとどれくらいかかるの?」

「もう打ち合わせ辞めてメールだけにしましょうって言った」

「そっか」

「クレーム入れられるようにその人が言った事も録画してある」

「お、さすが」



褒める意味でも頭を撫でたら
そこでギュッて俺の服を握るAちゃんは

「でもね、最後だから何かあったら出すけど、もう黙ってようと思うの」

ってちゃんと自分で考えてるみたい。



どうしたらいい?じゃなくてもう決めてるみたい。
確かに最後に言って変に粘着されても嫌かもしれない。

それならそのAちゃんの決断を見守りたいから

「そっか」

とだけ言うと

「うん」

小さく頷くAちゃんは

「こんな事、ニカにしか話せないから。聞いてくれてありがと」

なんて、Aちゃんにとって自分が特別ってことを伝えてくれて。



タマよりもミツよりも
Aちゃんの特別な存在になれてる。

だからAちゃんがミツを優先しても
全然平気だった。

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shizu(プロフ) - ななぼーさんさん» はじめまして!ものすごく嬉しいお言葉ありがとうございます!うわー、本当に嬉しいです💗また書かせていただきます! (2022年11月30日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» うわー!嬉しいです、ありがとうございます!落ち着いたら書こうと思います😊 (2022年11月30日 8時) (レス) @page21 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななぼーさん(プロフ) - はじめまして!いつも作品楽しく読ませていただいてます!shizuさんの作品、本当に大好きで何度も読み返してしまうものもあります!今回の作品も大好きです!!続き、楽しみにしてます! (2022年11月29日 19時) (レス) @page18 id: 613beb2b91 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 最高です。shizuさんのお話しのタマちゃんもニカちゃんもだいすきです!!タマちゃん編たのしみにしています!! (2022年11月28日 23時) (レス) @page18 id: fafa72142e (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» 私の中でタマちゃんって中身もイケメンなんで、結果こうなりました☆タマちゃん編も書けたらなぁと思ってます (2022年11月28日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年11月10日 0時

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