カカオ72% Part 5

last wall 7 -side You- ページ35

ニカんちから帰って
にぃと過ごした2日後。

次の日が私もニカも休みなのを把握してるにぃが
「今日はぜってー帰ってくんな！」って言うから
ニカんちに居る私。

いつも通りニカと
キッチンカウンターでお酒を飲みながら過ごしてた。



帰ってくるな、ってなに？
さすがにおかしいから

「女の人でも連れ込むの？」

聞くとものすごく怒った顔で

「連れ込むか！台本覚えるんだよ！！」

ってドラマの台本を見せてくるにぃは
私とニカがお気に入りの焼酎をドンッ、てテーブルに置くと

「……これ、手土産。この前の詫び。じゃーな」

とだけ言うと台本を持って部屋に行っちゃう。



ニカに泊まりに行っていいか聞くと
もちろん、って言ってくれたから焼酎を手土産にニカんちに行って報告すると

「なんか変だよね」

やっぱりニカも同じ反応。



「台本覚えるのはカモフラージュで女の子と過したかったのかな」

「んーー……ミツって特に今は女の子に興味無さそう」

「うん、それは私も思う」



彼女出来てたらにぃは分かりやすそうな気がする。
知らないけど。

そしてそれを想像すると胸がチクチク痛む。
自分にはニカが居るのにね。



とりあえず

「ニカ」

グラスを置いて声を掛けると

「ん？」

ニカも同じようにグラスを置いて優しい声で聞き返すから。



この前全然くっつけてないから少しニカに甘えたい。
何も言わずに抱きつくと

「んー？どしたの？」

ニカは優しく抱き返してくれる。



うわ、甘い。



「………何となく？」

「あはは！疑問形なんだ」

「うん」



ギューーってニカにくっついてから腕を解くと
今度は逆にニカがギューーって抱き締めてきて

「充電ーっ」

何だか楽しそうにクスクス笑うから私も笑っちゃう。



そうだね、私がニカにくっついた理由も
充電がしっくりくるかも。



私が抱きついたのよりも長めに私を抱き締めてくれたニカが腕を解くから

「何%くらい出来た？」

聞いてみると

「んー、20%かな」

「低っ」

あまりにも低くて間髪入れず突っ込むとニカが笑う。



「……後でいっぱい充電させて」



照れて言うニカが可愛い。
どういう意味か分かるから

「うんっ」

照れくさいけど頷いたらニカが

「自分から言っといて恥ずっ」

耳まで赤くなって顔を逸らすから
私も恥ずかしいけど、ニカと求めあえてるのが幸せで。



ほら、私、ニカとこんなに仲良しだし
ニカにも相当心開いてるよ？



にぃは何がそんなに心配なんだろう？

last wall 8 -side 2-→←last wall 6 -side Ki-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す