カカオ72% Part 5

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「わ」



うちに来たAちゃん。
髪を切ってミツそっくりになったって言うけど
まぁそこまでじゃないだろう、と思ってたのに。

びっくりしてまず声が出た。



「何？」

「めっちゃミツじゃん」

「まぁね。兄妹だし」

「や、そーだけど」



それにしても似てるよ。



ただ、それより何より

「めっちゃイイじゃん、可愛いし似合ってる」

「え、ホント？」

「うん！ミツそっくりとかどうこうより、Aちゃんにすごく合ってる」

めちゃくちゃ可愛い。
長めの前髪を流してるのとかすごくいい感じ。



「……やったぁ」



ものすごく嬉しそうに笑うAちゃんがさらに可愛い。



「ドライヤーとか秒で終わる」

「あはは！それは言い過ぎでしょ」

「そうかもしれないけど。それにしたって今までの半分だよ」

「あー、そうかもね」



笑いあってるとふとAちゃんが照れて俯いて。



「え？何？どしたの？」

聞くとAちゃんは

「にぃと似てるよりも、可愛いとか似合ってるって言われたのが嬉しくて」

とびきりの笑顔で俺を見上げる。



そんなに喜んでくれるんだ。



「めっちゃ、イイよ。最っ高」

「ホント？やったねーっ」



褒めまくるとすごく嬉しそうなAちゃんが可愛くて

「ん」

腕を広げたら飛び込んできたから抱き締めて頭を撫でる。
サラサラの髪が触ってて気持ちいい。
そして

「んふふーっ」

嬉しそうに笑って俺にしがみつくAちゃん。



…………可愛いっ。

いや、むしろ可愛い過ぎるっ。



抱き締めて耳にキスしたり
Aちゃんが俺の服の裾から手を入れてきて背中を撫でてきたりしてじゃれあってると
スマホが鳴る。



Aちゃんのスマホだ。



「誰だろ、こんな時間に」

Aちゃんがスマホに手を伸ばしてスマホを見ると
不思議そうな顔をして

「……にぃだ」

画面をスライドさせてスピーカーにして電話に出る。



「どしたの？にぃ」

『おぉ、Aいまどこ？』

「ニカんち。今日泊まるって言ったじゃん」

『………あぁ、ん、そか』




何だか歯切れの悪いミツ。

思わずAちゃんと顔を見合わせた。



「帰ろっか？なんかあった？」



泊まる約束をしてるのに
あっさりミツを優先するAちゃん。

さすがブラコン。



『やー、いい。家に居なくてびっくりしただけ。わりぃな』

「………そう？」

『じゃあなー』



電話が切れる。

何だ？



「「………」」



Aちゃんと顔をまた見合わせた。

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