カカオ72% Part 5

カタチ。 21 -side You- ページ4

裕太くんが提案してくれたのは

「Aちゃんカットモデルしない？」

だった。



美容院なんて日本(こっち)に来てから一度も行ってない。

髪は伸びっぱなしで自分である程度切れるようになってからは
しばるかお団子にしちゃえば多少不揃いでもいいから伸ばしてたんだけど。

「切ってくれる美容院で女の子のモデルさん探してるの。そこ、アパレルも併設してるから服も買えるし全身イメチェン出来るよ」

なんて言うから。



ボブにしてニカ好みの女の子になりたい。

って思ってしまった。



「いいの！？お願いしたいっ！！」

「お！喜ぶわー、自分の周りは美容院決まってる子がほとんどなんだよねー」

「気に入るとそこに行き続けるもんね。……って言うとその人プレッシャーかな」

「あはは！気にしなくていいよ」



裕太くんと具体的な日程はまた詰める約束をして
その日は解散して。



後日、裕太くんが頑張ってる中国語電話で

『候補日がね…』

って挙げられた中に私の誕生日が入ってた。



まだニカと誕生日に約束してないし。
誘ってくれるかなんて分からないし。

誕生日に予定がないとか寂しいから誕生日の昼間に予約を入れた。



『ニカに喜んでもらえるといいね』



裕太くんに言われて調子に乗ったんだと思う。

A来週会える時ある?

ニカに自分から送った。


ニカ木曜日なら大丈夫!次の日も休み


ニカからの大丈夫な日が私の誕生日で。



やった！誕生日にニカと過ごせる！
しかも髪を切って一番最初に会えるのがニカだ！

誕生日に予約して正解だった。



当日、美容院に行くと
出迎えてくれたのは私から見ても『カッコイイ』と思う女の人。

マキさんって言うらしい。

服のセンスもいいし
この人になら任せても大丈夫そうって思う。



普段の服の系統や髪の毛を触ってもらってカウンセリングをしてもらった時に

「ボブやショートが似合いそうだね」

って言ってもらえる。



やった！

ニカの好きなボブだ！！



テンションが上がってると

「あとね、こんなファッションが似合うと思う」

って勧められたのが
オーバーサイズのニットに履いてるか履いてないか分からないショートパンツとブーツ。

「これはさすがに……20代前半でしょ」

「Aさんなら20代に全然見えるし、逆にあと数年したら絶対出来ない格好よ？」

そうマキさんに言われて思った。



若く見えたら
ニカと釣り合う感じになるかな、って。

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