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嘘だらけの婚約者 その後 7 -side Y- ページ38

突然、ミツの妹に逃げるAは
ミツの妹と少し話してホットミルクのマグカップを持って戻ってきて。

「……仕事終わったら、全部話すから」

泣きそうな顔で言う。



すげー気になる。

気になるけど、今は仕事中だし
あと少しで店も混んでくるから話してる場合じゃないのは確か。



困ってたら

「大丈夫、店長さんが心配するような事じゃないって言うか……Aちゃんが店長さんが大好きなだけだから」

妹さんが笑うしAは隣で申し訳無さそうにしてるから
まぁ後で聞くか、って思えてきた。



「おい、A。ソイツ、お前より年上だぞ」

「え!そーなの?めっちゃ可愛いし年下だと思ってた!」

「あはは!まぁ精神年齢は同じくらいかもな。2人とも幼稚園児だし」

「は!?失礼なんだけどっ」



ミツと妹さんが場の雰囲気を明るくしようとして笑ってるけど。

俺とAは通夜みたいな感じで
お互い何も言わなくて。



そんな俺たちに妹さんは

「ホントにね、どっちも悪くないの。店長さんもAちゃんも。私が聞く限りAちゃんは店長さんラブだから」

って言うしAは照れくさそうにしてて。



何なの?
そんな顔ができる立場?



と思ったら睨んじゃって。

「よこーさん、顔っ」

ミツに笑われる。



そんなタイミングで朱莉ちゃんを抱えた太輔君も来て

「どしたの?みんな」

入口に固まってるみんなに驚いてて。



朱莉ちゃんはママである妹さんに手を伸ばして抱きつこうとするから

「……やっぱりAには勝てないなぁ」

太輔君が悔しそうで妹さんが笑ってる。



そんな2人をAが少し悲しげに見てるから
あ、そういえば2人がよく来るようになってからAがおかしいな、って思って。

あの頃あった事と言えば……




………人間ドック?




「渉」

Aの声で我に返る。

「私、すぐ着替えてくる」

逃げるように2人から離れるから
何となくだけど
やっぱりこの2人と人間ドックが関係あるのかな、って思った。



少しして戻ってきたAは

「………心配かけてごめん。後で全部話すから」

泣きそうな顔で言うから。



少なくとも、心配掛けたって事を反省してるのが伝わったんで

「いーよ。後で聞くから。……逃げるなよ?」

おでこをツン、って小突くと

「うん」

嬉しそうに笑うから。




少なくとも、悪い報告ではないんだな、と思ってた。

この時は。



まさか、ある意味もっと悲しい思いするなんて
思ってなかった。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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