検索窓
今日:16 hit、昨日:27 hit、合計:52,913 hit

嘘だらけの婚約者 その後 3 -side Y- ページ30

わかりやすい。

なんなの?
Aにはサトラレ機能でもついてんのか?



最近やたらじーーっと俺を観察してる事が増える。

新メニューの案をまとめ終えた時に
改めてその視線に気づいた。



「……どうかした?」

「ううん、何も?」



疑問に疑問系で返すAはわざとらしく顔を背けて
また少しすると俺を見てくる。



………また勝手に何か思い込みしてるな。

ため息をつくと

「渉、どしたの?何か悩み事?」

キラキラした顔で聞いてくるから察した。



自分がすごく満たされてるから
逆に何かしら俺の役に立ちたいとかそーゆー系だな。



「明日の夕飯何にしよーかな、って考えてただけ」

「………ふうーん」



ほら、案の定Aは面白く無さそうなリアクション。
大した問題じゃないと思ってそう。

違うんだよ。

こういう些細な悩みをAは全部解決してくれるから
俺にはストレスが無いのに。



一応、Aは俺が適当に言った事をちゃんと考えてくれて

「そうだなー、最近魚料理食べてないよねー。魚食べたいかなー」

少ししてAは言う。

「お、確かに」

言われてみるとそうだな。



そして俺が新メニューを考えてパピーを構ってやれない間
パピーはAの膝の上で毛繕いされて気持ち良さそうにしてるし。

Aが無自覚なだけで
俺は十分助けられてるし満たされてるんだけど。



ニコニコしながら

「楽しみだねー、パピー。渉のお魚のご飯大好きなんだー」

パピーが好きな首の所をAが撫でるとパピーは幸せそうに目を細める。



いいなー、パピー気持ち良さそうだなー。

何だか俺も撫でて欲しくなって
じーーっとAを見ちゃう。

気づいたAが顔を上げて

「どうしたの?渉」

まっすぐ見られたら『パピーが羨ましい』なんて言えなくて。



「そろそろ寝るかー」

「うん」



ゲージにパピーを入れてAはパピーと名残り惜しそうに離れて
俺の後ろをパタパタと付いてきたと思ってたら

「渉っ」

ギュッと抱きついてきて。



「わ、どした?」

「甘えたい気分っ」

「はぁ?」

「いまね、渉にくっつきたい気分なのっ」

「………」



ほら、背中を顔でうりうりされたら
撫でられてるのと近い感じ。

「………じゃあ、くっついて寝るか?」

「うんっ」

嬉しそうにギューっと抱きつくAが愛しくて。

いっぱい感じさせて
こっちも気持ち良くなって幸せな気持ちで眠りにつく。




ほら、結局またAに満たされてる。

嘘だらけの婚約者 その後 4→←嘘だらけの婚約者 その後 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (124 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
319人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。