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嘘だらけの婚約者 その後 3 ページ29

てゆーか
渉、本当にいいのかな。

私と結婚して
後悔しないかな。

そもそもいつするのかな。



「ねぇ」

「ん?」

「いろいろいつにする?」

「は?」



指輪をもらって数日後
私のふわっとした質問に怪訝そうに顔をあげる渉は

「………あぁ、いつでもいいよ」

まるで私の顔を見たら何を聞きたかったのか分かってるみたい。



「私まだ何も言ってないけど」

「まず入籍の日だろ?大安とかそーゆーのいくつか見てあるけど」



いつも私がレシピをメモしてるノートのうちの1ページに
ここ半年の候補日か記されてる。

私と渉の誕生日のちょうど真ん中だとか再会した日だとか
そんな日まで。



「マメだね」

「こーゆーの踏まえたいタイプだろ?A」

「う………」



図星だ。

なのに私は何も調べてない。



「たまたま、そーゆーの特集してたから」

なんて言う渉の料理雑誌の間にさりげなくゼ○シィが挟まれてるのが見える。



ほら、こーゆーところ。

私はとにかく渉に甘やかされてる。



「渉、嫌にならない?」

「何が?」

「私と一緒に居るの」

「………どーした?急に」



渉がさらに不思議そうな顔をするけど。



全然急じゃないよ。

私はずっと思ってたもん。
渉、めんどくさくないかな、私と居るの。

ワガママばっかだし
家事は全部渉より下手だし。

好きって言った事、後悔してないかな。

でも私は渉が好きだから
渉から『後悔した』なんて言われたら困る。



…………じゃあなんて言えばいいかな。



悶々と考えて黙っちゃう私に
渉はため息をついて

「変なこと考えてんなら、それ無駄だからな」

また雑誌に目を戻す。



「何よ、変な事って」

「Aと婚約して後悔してないかな、とか?」



ズバリ言い当てられて
『何で分かったの』も『違うよ』も言えない。

黙っちゃう私に

「Aが思ってる以上に俺いま幸せだよ?」

渉が笑って私の頭を撫でてくれて。



「Aが嬉しそうに笑ってるだけでこっちまで嬉しい」

柔らかく笑う渉は
私の足元で甘えてるパピーを抱えて

「ほら、パピーといまAの取り合いしてるくらい」

嫌そうに渉から離れてこっちに来ようとしてるパピーに手を伸ばすと
パピーは全力でしっぽを振ってる。



パピーは分かるよ。

渉の次にパピーにエサをあげてるの私だから
それで懐いてるんだもん。



だけど渉は?

私が笑うだけで嬉しいとかある?

意味分かんない。



何か役にたてること、ないかなー……。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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