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秘めた想い その後 23 ページ23

「すごーい!」

ホテルの部屋からの景色に
思わず歓声を上げる。

「あはは、ホントだねー」

玉森くんも嬉しそうに笑って言う。



玉森くんが取ってくれたリゾートホテルは
車で2時間くらいかかったけど海沿いで貸切風呂がついていて
海が見渡せる部屋だった。

まるでお風呂から海が繋がってるみたいに見える。

夕陽が沈む時間には間に合わなかったけどまだ空が明るくて
海と空の境界線もしっかり見えるし
天気予報によれば明日の天気もいいみたいだし明日の日の出はバッチリ見れそう。

耳をすませば波の音も聞こえて
最高だった。



「ものすごくいい景色!」

「だね。暗くなったらお星様見えるかなー」



玉森くんと微笑みあって2人で外の景色をしばらく眺める。



ふと、玉森くんはどうしてるかな、と思って玉森くんを見上げたら
玉森くんは景色じゃなくて私を見ていた。

「なんでこっち見てるの?」

「Aを見ていたかったから」

本当に大切なものを見るような優しい目で玉森くんは私を見ている。

玉森くんは照れる事無く普通にそんな事言うから私はものすごく恥ずかしい。
多分いまの私の顔は相当真っ赤だと思う。



「私の事はいつでも見られるじゃん。せっかく来たんだから景色楽しもうよ」

「ううん、いま俺が見たいのはAだから」



めちゃくちゃ甘いことをサラッと言う玉森くんは

「ねぇA」

改まって私を見ると

「さっき『玉森くんと一緒に過ごすだけで幸せ』って言ってくれたでしょ?あれ、ものすごく嬉しかったし俺も一緒でAと一緒に過ごすだけで幸せ」

私の髪をかきあげて愛しそうに微笑んで耳にかける。



そんな玉森くんの優しい視線や耳に触れる指がくすぐったいのもあって

「あはは、一緒だね」

照れてくさくてちょっとおどける。



そんな私に玉森くんは

「だから、良かったらAも『玉森』にならない?」

耳まで真っ赤になって照れくさいのかチュッ、と私にキスを落とすし
私は私で意味が分からなくなってキョトンとしちゃう。



脳内にぬいぐるみの『玉森くん』が浮かんでる私に

「俺と、結婚してください」

真剣な声で言う玉森くん。

「今までが『幸せ』なら、俺たちもっともっと『幸せ』になれると思う。俺の幸せはAと一緒に居ることだから」

そう言って私の手を取る玉森くんの手は緊張で冷たくて震えてて。



あぁ、プロポーズされてるんだ、って気づいたら
断る理由なんてないし

「はい」

私はすぐに頷いた。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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