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秘めた想い その後 19 ページ15

玉森くんに予定外に会えた私は
嬉し過ぎて。

この前の玉森くんと逆で
私が玉森くんから全然離れなかった。



おうちに戻ってからも
一度持っていた荷物を置いた玉森くんに抱きつくと

「A?」

玄関で抱きついたままの私に玉森くんが困ってる。



会えないと思ってたのに会えたから
私の感情の爆発が自分でも抑えられなくて
玉森くんから一瞬でも離れたくなくなってる。

「ね、ソファ行こ」

玉森くんは疲れてるのかも。
でももう私は離れたくなさ過ぎて
ちょっと酔ってるのもあって離れないし何も言わない。



そんな私に諦めたのか玉森くんは抱き締め返してくれると

「ごめんね」

ものすごく甘い声で言う。



「Aってば俺の事大好きなんだね」

私の頭をポンポンしてくれる玉森くんは

「いっぱい我慢させちゃってごめんね」

なんて、玉森くんは全く悪くないのに謝ってくれちゃう。



玉森くんは全然悪くないよ。

ただの私のワガママなんだから。



「玉森くんは、悪くないの」

「んー……まぁね。素直に寂しいって言ってくれなかったAも悪いよ」



『悪い』って言いながら頭を撫でてくれる玉森くんは

「でもそれ以上にAがこんなに俺の事好きなんだって分かったら嬉しくって怒れなくなっちゃった」

本当に嬉しそうに笑う玉森くんは愛しそうに私の頭を撫でた。



恥ずかしい。
改めて我に返ったら私何してるんだろう?って思っちゃう。

大の大人が
寂しかったって泣くなんて。



「……酔ってるからだよ」

「そうそう、それも怒らないと。Aこの前酔っ払って記憶飛ばしてたよね。この前怒りそびれたから改めて言うけど、俺が居ないところであんなに飲んじゃダメ」



『ダメ』が優しい口調で全然響かないし
もうあんな飲み方しないよ。

「玉森くんが一緒だったら玉森くんが潰れちゃうから私は酔えないもん」

宏光先輩と飲むとだいたい軟体動物になっちゃうのは玉森くんだよ。
素直に言うと頭を撫でてくれる手を止める玉森くんは

「………じゃあ交代で酔っ払いになろう」

腕を解いて私の顔を自分の方に向けてクスッて笑う。



「いっぱい泣いたね」



酷い顔なんだろう。
でも笑ったのは少しだけで愛しそうに私を見つめる玉森くんは

「こんなにいっぱい泣いちゃうくらい、俺の事好きになってくれてありがとう」

ちゅっ、ちゅっ、て音を立ててキスをくれる。



うん、大好きだよ。



だから

「玉森くんの事、ずっと大好きなの」

素直に言った。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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