この想いの結末は 10

after そしてそれから 35 ページ8

そうなると
ちゃんと俺の立場を考えてくれて
流出の原因にならないように
キチンとしてくれてるAには
感謝しかない。



だから

「…さっきはごめん」

ちゃんと言うと

「さっき？」

ポカンとしてる。



「写真。Aは俺との事考えて言ってくれてたのに全然分かってあげられなかったから」



俺が言うとAが悲しそうな顔をして

「太輔に先に謝られちゃうと私が何も言えなくなっちゃうじゃん…」

今にも泣きそうになってる。



「何で？Aが謝ることないよね？」

「あるよ！私、すごくたくさん酷い態度とったよ」

「そう？そんなことなくない？」

「あるよっ」



俺があまり周りに見られないように
水槽に俺が隠れる形でギュッと抱き締めてくるA。



ほら、また俺はAに守られてる。



Aには守られてばかりだ。

俺よりもずっと大人で
我慢してくれてて。

それはAが俺と一緒に居たいと思ってくれてるからで。



つまり
全部、俺のためなんだ。



「…太輔、ごめんね？」



なのに改めて俺を見上げて申し訳なさそうに
改めて謝るA。

逆に俺が本当に申し訳ないな、って思ったし
そこまで俺との事を守ろうとしてくれてるAに感謝しかない。



なのに、俺は。



Aをギュッと抱き締めると

「…太輔？」

Aが不思議そうに俺を呼ぶ。



「A、いつもありがとう」



耳元で言う。



「…どうしたの？急に」

「ん？急じゃないよ？ずっと感謝してる」



ここが外じゃなきゃめちゃくちゃキスしてる。

代わりにおでこにそっとキスをする。



「俺と居るために、いっぱい我慢してくれてありがと」



言いながらAを見下ろすとAは

「してないよ？我慢」

首を振ってる。



でもさすがに我慢してる顔をしてるのが
付き合いでわかる。

「してるじゃん、写真も」

言った時にそこで
ホントは欲しかったって顔を初めてしてくれた。



「…太輔と、ずっと一緒に居たいから」

Aは小さく呟くと泣きそうになってる。



……我慢させてばっかだね。

結婚の事も、ホントは我慢してるのかな。



なんだか申し訳なさすぎて
切なくなってきた。



「行こうか、そろそろ」

「…うん」



不安そうに見上げるAに
チュッ、と音を立てて鼻にキスをすると

「…鼻、テカってるでしょ」

くすぐったそうに笑うAが
少し嫌そうで。



「どんなAも可愛いよ」



好きすぎて、辛いくらいだ。

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