この想いの結末は 10

after そしてそれから 31 ページ4

アコも戻ってきたから
いよいよホテルに帰ることに。



夕飯は気兼ねなくご飯を食べたいから
ルームサービスとテイクアウトで適当に買って食べる事にした。



日は傾きはじめてて。

時間的にホテルにチェックイン出来る時間ではあるけど。



「後は夕飯なんだけど。時間あるしそもそもまだお腹空いてないよね」

Aが言う。

「…だね」

アコも頷く。



「ドライブする？」

「んー、どこか歩けるところ行きたいかなー」

「だよね」

「出来れば日焼けしないところ」



みんな一瞬黙って

「水族館？」

マネージャーも

「水族館とか」

Aも

「この前行った水族館は？」

アコも

「水族館やってる？」

俺も
ほぼ同時に言う。



さすがに全員大爆笑で

「あはははは！まさかの一致！」

「真似しないでよ！」

「すごくない？」

「嘘みたい」

お腹が痛くなるレベルで笑う。



「また閉まる間際だよ？」

「いいじゃん、行こうよ」



たまたま車は水族館方面に向かっていたらしく

「すぐ着くからね」

Aは言う。



「あははは！さすが！こうなるって思ってた？」

「全然！まだ早いから逆向いてただけだよー」



笑うマネージャーに返すAは
ミラー越しに俺と目が合うと悲しそうな顔をする。



あ、やっぱりさっきウザかったのかな、って
反省する。



Aは俺と一緒に居たいから
写真を我慢してくれていたのに。



けど、悲しかったんだ。

あそこまで嫌がられちゃって。



水族館に着いて
Aがマネージャーとチケットを買いに行く。

その間に

「ねぇアコ」

「ん？」

「Aってそんなに写真嫌いなの？」

アコに聞いてみる。



「全然。めちゃくちゃ写真あるよ」



アコが見せてくれた写真の中には
たくさんのアコとのツーショット。

ご飯行ってたり買い物してたりドライブ行ってたり。

「欲しい写真あれば送るよ？」

アコは淡々と言いながら写真をスクロールしてくれる。



あ、このアイス食べてる顔可愛い。

寝顔もあるじゃん。
Aはどこでも寝るもんね。

アコんちで頬杖ついて寝てる写真もある。

うちでの寝顔よりどこか余所行きの顔をしてるから
やっぱりAにとってうちが安らぐ場所になってきてるんだな、ってホッとする。



「すごいよね」

アコが言う。

「こんなに写真好きなのに、太輔とは撮らないって徹底してるんだもんね」



アコにそう言われて
自分の発言の酷さをやっと自覚した。

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