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Aside
ルームウェア以外で
身につけるもので初めてのお揃い。
何がきっかけで知られるか分からないし
知られた時に匂わせる女にだけはなりたくない。
ただでさえ私の存在なんて
許せないのに。
ううん、許されるわけがない。
だから太輔とお揃いのものを今まで持ちたくなかったけど
ネイリストになってから今まで自分のネイルの一部にピンクがあってそれを見てニヤニヤする生活をしてきたのに
それすらも無くなるってなったらやっぱり寂しくて。
このペンダントなら
きっとただの白い石にしか見えないはずだから。
これくらいならいいんじゃないかな、って。
アコちゃんと武田さんのことを考えてたら
太輔と何かお揃いの物が欲しくなってきちゃうなんて私は欲張りだ。
太輔と一緒に過ごせるだけで十分なはずなのに。
いつの間にこんなに欲張りになったんだろう。
太輔もあれだけお揃い避けてたのに結局?ってドン引きするかな、と思ったら
プレゼントを受け取った太輔はみんなの死角になるところになる場所まで少し強引に手を引いて私をギュッと抱締めて
「…初めてじゃん」
太輔は言う。
「外でつけられるお揃いのもの、今まで絶対反対してたのに」
私の頭を撫でながら言う太輔の声が切なそう。
太輔はずっとお揃いのものを持とうとしてくれてたのに
その度に私が阻止して。
普通の女の子ってお揃いとか好きだから
気を遣ってくれてるのかと思ってけど
太輔は本当に私とお揃いのもを持ちたいって思ってくれてたんだ。
「…ごめん」
「ううん、それがAだもんね。スマホやデジカメ捨てられてないだけまだマシなんだから」
「えっ、覚えてるの?」
出会った時の事を太輔が言い出すから
びっくりした。
「覚えてるよ、衝撃だったもん。パソコンも捨てるって言ってたよね」
「うん。だから私、スマホバックアップとってないの」
「は!?」
「キスマイの曲CDからスマホに入れたりバージョンの更新終わったらすぐ消してる」
「…マジで?」
太輔が若干引いてる。
そりゃそうかもね。
でも私は絶対自分のうっかりで太輔を困らせたくなかったし
何より太輔の傍にずっと居られるだけで満足だから。
「そのくらい、太輔と離れる原因が自分になりたくないの」
好きだから。
太輔が、すごく好きだから。
そんな私に
「……もう、これ以上可愛い事言わないで?」
太輔が言うけど。
可愛いくないよ。
普通はドン引きするでしょ。
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みぃ - 読ませていただきました!続きが読みたいです\(^▽^)/! (2022年4月7日 23時) (レス) id: 42a4c90f18 (このIDを非表示/違反報告)
琉衣(プロフ) - おはよう御座います!また最初から読んじゃいました! (2021年12月9日 6時) (レス) @page15 id: d7ec384554 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 琉衣さん» コメントありがとうございます☆ 嬉しくて他の更新を書いていたのに一番に更新してしまいました(笑) 亀更新ですがまた読んで頂けたら嬉しいです! (2021年11月27日 11時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
琉衣(プロフ) - 初めまして2日掛けて読ませて頂きました!続きが楽しみです (2021年11月23日 6時) (レス) @page10 id: d7ec384554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2021年7月14日 7時