この想いの結末は 10

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Aside


太輔と気まずい空気の中で
ドアがノックされて。
少し太輔と距離を開けたタイミングで
ともちゃんがやって来る。

「Aー、お会計いいー？」

「はーい」

返事をすると
太輔が無言で封筒を渡してくるから受け取る。



目線で太輔が『よろしくね』って雰囲気を出すから頷くと
太輔が柔らかく笑うから私も微笑み返す。



良かった、いつも通りだ。



ホッとして部屋の外に出るとともちゃんが

「あれはAひどいよ」

いきなり言う。



「え？」

「藤ヶ谷くんとの写真！失礼すぎっ！」



写真を撮ってくれたのがともちゃんだから
ものすごく怒られる。



「…だってさー」

「『だって』じゃないよ！私が藤ヶ谷くんでもあんなに拒否られたら凹むよ！」

「そう言うけどさ！流出とかして困るのは太(たい)…藤ヶ谷くんだよ？」



つい『太輔』って言いそうになって慌てて言い換える。
でも

「流出したらね？しかも本人から撮ろうって言ってるしAのスマホじゃないんだからいいじゃん！」

客観的に見ていたともちゃんにまで怒られると思わなくて
そうなるとさすがに私の態度って悪かったんだって反省する。



「…そんなに？」

「うん、最低だよっ」

「えぇーー…」

「私なら友達辞める」



そこまでキッパリ言うともちゃんは
今日の明細を見せてくれながら

「ココとココも値引きしたから」

って見積よりさらにサービスしてくれていて。



「え、ありがとう」

「いいえー。本番の場合この前の見積だからね？」



ともちゃんがサラッと言うから
ピンと来ない私は首を傾げた。



「この前の？」

「うん。送ったでしょ？見積」

「見積？」

「Aが式を挙げる場合のやつ」

「は？」



そんなのあったっけ？



「じゃあ見といてね。最初に見積や写真送った時に付けてるから」

「え、全然気づかなかった」

「ゴンドラで登場になってるからね」

「しないから！」



ともちゃんと笑ってると

「ホント、まだしないの？結婚」

「うん。いま仕事楽しいしまだいいかな」

「そっかー。まぁそういう時もあるよね」

ともちゃんは無理強いしないから有難い。



ニッコリ笑ってから

「ちゃんと藤ヶ谷くんに謝りなよ？」

笑顔で言うともちゃんの目の奥は笑っていない。



「……はぁい」

「ん、じゃあまた連絡するねー！」



返事をする私にともちゃんは満足そうに笑う。



…ともちゃんも言うくらいだから
ホントに感じ悪かったんだな、私。

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