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シロツメクサ Ki -side K- 51 ページ50

次の日に迎えに行くと
キャリーを引いて俯いて
すげー勢いで歩いてくるA。

前見えてんのか?

「A!」

声を掛けると顔を上げるAは
めちゃくちゃ泣いてた。

何があったんだ?



「…どした?」

声を掛けても

「何でもない」

涙を手で拭いながら答えるA。

「何でもないわけねーだろ」

どーせ玉森さんと喧嘩でもしたんだろ、



「振られちゃった」



泣きながら震える声で言うA。



は?

玉森さんが?
Aを振った?

そんなバカな。

誤解してんじゃねーの?



ただあれたけ進展ないって言ってたし
玉森さんとの関係が崩れるのが嫌で
現状維持で我慢しててAが
振られたって思うくらい何か行動した事は事実だろう。



「…ふざけんなよ、進展ねーって言ってたじゃねーか」

どーせ横尾さんたちみたく誤解だろ。

苦笑いしちゃうと
ひっく、ひっく、ってしゃくりあげながら俺を見上げるAが
本当に悲しそうな顔をしてる。



もー、しょうがねーな。



でも

「頑張ったんだな」

声を掛けるとまたポロポロ泣き出すA。



さすがに周りの目が気になる。
俺はいいけどAは恥ずかしいだろ。

「ほら、荷物貸せ。ここだと恥ずかしいだろ?車行くぞ」

片手にキャリーと荷物を持ってもう片方の手でAの手を握る。



しゃくりあげながらついてくるAは
ギュッて俺の手を握るけど。

キュンとはしない。

妹のAの手を引いてるのと一緒。



あーやっぱ俺はAさんがいいんだな、なんて思いながら車に向かう。



途中でブー、ブー、ってスマホのバイブ音が聞こえるけど
俺のポケットのスマホでは無い。

という事は

「おい、スマホ鳴ってね?」

「…うん、でも、いい」

Aは空いてる方の手でスマホを取り出すと電源を長押しする。



「……いいのか?」

「うん」



グスッと鼻をすするAは
涙を拭うと俺にグシャグシャの笑顔で笑いかける。

「宏光先輩、ありがと」

満面の笑顔とまでは行かないけど
迎えにきた俺に一生懸命笑ってお礼を言うAがいじらしい。



「そんだけ泣いたら喉乾いただろ?ドライブスルーで飲み物買って帰ろーぜ」

店入るのも恥ずかしーだろーしな。
振り返って声を掛けると

「うん。フラペチーノ飲みたいっ」

「太るぞー」

「いいのっ」

嬉しそうにAが笑って
可愛いとは思うけど全くときめけない俺は
なんでAさんしか気にならないんだろう。



逆にすげー辛い。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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