シロツメクサ Ki -side K- 50 ページ49
Aさんとの事を
少しでも忘れたくて
気楽にメシ食えるやついねーかなと思って
ふと浮かんだツカサの妹のA。
玉森さんとはどーなったのかな。
奢るからメシでも行ってくんねーかな。
そんな思いで電話する。
『もしもーし』
電話に出るAの声が明るくて。
ただ会うだけでも元気もらえそーだな、なんて思う。
「おー、Aいまどこ？飲みに行かね？」
『ごめんなさい、いま昨日から出張しててそのまま遊んでて…』
「なんだー、マジかー」
ちぇっ、残念。
いねーのか。
…いや、ちょっと待て？
出張ってことは仕事だよな？
「ん？出張？」
『うん』
「てことは玉森さんも一緒？」
『そうだけど』
なんの躊躇もない感じのAに言われて思い出す。
この前電話での玉森さんとのやり取り。
「宣戦布告ってことでいいですか？」
聞いた時に
『そう受け取っていただいて構わないです』
キッパリ言い切った玉森さん。
Aの様子からはまだ付き合ってねーのに。
何で泊まりで出かけてんだよ。
危機感無さすぎだろーが。
「どこ？迎えに行く」
Aが新幹線で3時間かかるとか言ってるけど
そんなの知らねーよ。
ツカサだって怒るだろーが。
…って、玉森さんちに泊まってる地点でアウトだけど。
玉森さんの気持ちも知った以上
付き合う前に旅行なんて有り得ねーっつの！
『あのですね、先輩。その玉森くんの片思いの相手も一緒です』
Aは言う。
「…は？」
『だからどうこうとかありませんから』
言われて思い出す。
Aが玉森さんには他に好きな人がいるって
言ってた事。
それが自分なんて
全く想像してねーんだろーな。
おめでたい2人になんだか笑っちゃう。
ちょっと波風立たせちゃえ。
それかいっそAが傍に居てくれたら
少しは癒されるんだろーか。
ちょっと考えてみる。
でも浮かぶのはAさんの寝顔と
幸せそーにご飯食べてるところと
仕事前のキリッとした顔。
………いや、Aさんの方がいいな。
そう思うのはもはや意地なのか。
正直、麻痺してきてる。
俺は本当にAさんが好きなのかな。
でもいま会いたいのはAだ。
そう自分に言い聞かせる。
後から思えば
無理やり言い聞かせてたのかもしれない。
「明日駅に着く時間連絡して」
『え、でも』
「荷物あんだろ？家まで送ってやるから」
なんかAがごちゃごちゃ言ってたけど
電話を切ってやった。
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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます！伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ！ (2021年3月1日 23時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます！！ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです！！！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年2月21日 18時
