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シロツメクサ Ki -side K- 48 ページ47

「…ミツ…」



遠くで声がする。

ゆさゆさ体が揺れる。



「ねぇ、ミツさんってば」



だいぶハッキリしてくる。
聞き覚えのある男の声。

しかも最近よく聞く。

昼間も聞いた。



……えーっと。



「高嗣くん、ごめんね。こんな時間に」

「んーん、平気。むしろ土日しか会えないのに平日にAさんに会える事になってラッキー」



会話でようやく誰かハッキリした。

二階堂か。



Aが寝入っちゃった俺に困って
二階堂を呼んだんだろう。



「チェリーお利口さんしてた?」

「うん。ご飯もしっかり食べたよ。俺が元気もらったくらい」

「ふふふ、そっか。なら良かった」

2人の会話は
Aも二階堂も
いつも俺に向けられてる会話とは違う
どこか甘くて聞いた事がない声色。



2人の距離感がめちゃくちゃ羨ましい。

俺もAさんと
こうなれたらな、って思っちゃう。



「ミツさんちに送ってくるよ」

「ありがとう」

「でもタクシーは一緒に乗ろっ。Aさんち経由で帰るから」

「え、遠回りになっちゃうじゃん」

「いーの。Aさんがちゃんと帰れたか心配になるもん」



いっちょ前に男っぽいとこを見せる二階堂に

「ありがとう…」

デレるAが新鮮だった。



くそー、ラブラブだな。



「それにしてもミツさん心配だね」



二階堂の言葉と共に
俺の頭に男っぽいゴツゴツした指が触れる。

二階堂が俺の頭を撫でてくれてるらしい。

普段なら二階堂に撫でられても嬉しくねーけど
Aさんが恋しい俺には
それすらも何だかホッとしちゃう。



やべーな、俺。



二階堂におんぶされて
ふわふわした意識の中で考える。



Aさんのお店、探してみようかな。

たしか誕生日に会った時にカードとかに書いてあったのは『Eve』って名前だったよな。



俺が徹底的に嫌われる何かをしていたら…?

でも、他に好きな人が出来てたら…?



怖くなってギュッと二階堂にしがみついちゃったら

「おわっ!」

二階堂がびっくりしてて。

そりゃまーそーだよな。



「え?ミツさん起きた?」



二階堂が聞いてくるけど
説明も歩くのもめんどくさいから寝たフリをそのまま続行した。




「どうしたの?」

「ん?なんかミツさんが首締めてきたからさー」

「あはは、寝ぼけたのかな」



Aと二階堂が話してるのを
ぼんやり聴きながら。



ただ、Aさんに会いたい。

また一緒に寝て一緒に朝を迎えたい。



それだけを願ってた。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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