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シロツメクサ Ki -side K- 6 ページ5

思えば
Aちゃんが
人を好きになったMAXだった。

それ以降
誰も好きにならなかった。



なんなら妹のAが
女の子の中で一番だった。

自分の妹ながらめちゃくちゃ可愛かった。



けどAの一番は太輔だった。

いつも太輔、太輔って。

俺の方がAをずっと守ってきてたのに。



ただ
太輔もAが一番だった。

太輔は常にAを大切にしてくれた。

どんなにワガママを言っても聞いてくれたし
勉強も見てくれていた。



中学校に上がったあたりから
とーちゃんの様子がおかしいことに気付く。



そして中二の夏。

俺が部活から帰ってくると
とーちゃんがテーブルの上に書類を広げてて
見るつもりは無かったのに何となく見ちゃった。

そこに置かれてたのは
保険の申請の書類で
書かれていたのはとーちゃんの名前。

病気の名前は聞いたことがある病気。

そして進行具合はだいぶ進んでて
同じ病気が色んなところにあるって書かれていた。



………嘘だろ?



逃げるように部屋にこもって
息を整える。

とーちゃんが?



その日はどう過ごしていたか覚えていない。



次の日に

「行ってきます」

いつも通りかーちゃんとAにハグをしてるとーちゃんを
ぼんやり見送った。



とーちゃん、すげーな。

俺なら耐えられない気がする。



とーちゃんは最後まで
俺らに自分の病気の話をしなかった。

だから知らないフリをしたし
とーちゃんの分も
とにかくしっかりしなきゃ、って思っていた。



だから
Aと太輔の距離感が近ずきるのも気になった。

とーちゃん的にあれはOKなのかな、って。



とーちゃんに

「Aと太輔、近ずきると思わない?」

聞いてみると

「宏光も知ってる通り、あの2人はしようと思えは結婚だって出来るだろ?」

あっけらかんとした答えが返ってきた。



そーだけどさ。

反論しようとしたら

「だから、もしもの時は宏光とかーちゃん味方になってやってくれよ」

先に言われる。



とーちゃんの言葉に自分が含まれていない事に
俺は色々悟った。



だから

「うん」

頷くととーちゃんは嬉しそうに笑って俺の頭を撫でた。



とーちゃんと2人で話したのはそれが最後。

それから俺は
Aと太輔の兄貴であり父親でもあった。



2人が両思いなのはとっくに気づいてたし
太輔にならAを任せても問題ないって分かってた。



でもいざ2人がそうなったら
仲間はずれみたいで嫌だな。



ガキな俺はそう思ってしまった。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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