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シロツメクサ Ki -side K- 5 ページ4

朝。

かーちゃんにバレないように
そーっと家を出て
とーちゃんと幼稚園に行く。



「宏光、いいか」

「ん?」

「自分の気持ちは黙ってても伝わるなんて絶対思うな。思ってることはちゃんと口にしろ」



とーちゃんは真剣に言う。



「とーちゃんも、かーちゃんの事を本当はずっと好きだったんだ。ずっと昔から。もちろん、太輔のかーちゃんの事も大好きだったよ?でもずーっと好きだったのはかーちゃんなんだ」

「……へぇー」



よく分からない。



「ならなんで、とーちゃんはかーちゃんと最初から結婚しなかったの?」

「…かーちゃんには宏光たちのパパがいたから」

「ふぅーん」



要するに
とーちゃんはかーちゃんの事を思って身を引いて
太輔のかーちゃんと結婚したけど
かーちゃんが忘れられなかったらしい。



当時そんな事よく分からなかったけど
とーちゃんが
「好きって伝えるのは大事」
って言いたい事はとてもよく分かった。

だから
かーちゃんに怒られるのを覚悟で連れてきてくれたとーちゃんに応えるためにも
今日Aちゃんが居たらちゃんとキモチを伝えようって決意できた。



幼稚園の前で待ってると
Aちゃんがやって来る。

病み上がりだからマスクをして。

あまり元気無さそうだった。



でも、会えた。



「Aちゃんっ!!」

駆け寄るとAちゃんが顔を綻ばせる。

「…ヒロくんだぁ」

マスクをとって俺に駆け寄ってくれるAちゃん。



「何で?お引っ越しは?」

「Aちゃんにバイバイいいたくて」



Aちゃんは今日俺がここにいることで引越しが無くなったと思ってくれてたみたい。

俺が言う言葉にまた泣きそうな顔をした。



泣かないで。

Aちゃんの笑った顔がもう一度見たい。



だから幼稚園のカバンについていたサッカーボールのキーホルダーを外して

「これ!あげる!」

渡すと

「私も!これ!」

Aちゃんがいつもつけていたペンギンのキーホルダーをくれた。



「ありがとう!」

すごく嬉しかった。

だからお礼を言うとAちゃんが嬉しそうに笑って

「ヒロくん、大好きだよ」

まっすぐ俺を見て言う。



俺も大好きだから

「俺も、Aちゃんが大好き!」

ちゃんと伝えた。




その後、見えなくなるまで
ずーーーっとお互い手を振った。



俺の淡い淡い初恋。

そして失恋。



この時のペンギンのキーホルダーは
今もクローバーと共に大切に取っておいてある。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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