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シロツメクサ Ki -side K- 25 ページ24

さらにAは続ける。

「彼女、クオーターなんだってね」

「え?」

「目鼻立ちも目の色も綺麗で羨ましい、っていったらおばあさんがフランス人だって」

「へーー!」



知らなかった。

確かに言われてみれば
日本人離れしてるよな。



そんな話をしてたらスマホが鳴る。

取引先からで
今日の納品をバタバタしてるから明日にして欲しいって言う。

どうしたのか聞くとパートで事務のおばちゃんが急に入院して
仕事が回ってないらしい。

誰か昼間に3〜4時間パソコン入力してくれる人紹介してくれない?って言われたから

「パソコン入力ですか?昼間?週何回です?」

復唱しながらメモしてたらAがこっちを見る。



電話を切って手帳に予定の変更と条件をメモしてたら

「…ねぇ、ミツさん」

Aが話し掛けてくる。



「んー?」

「そのパソコン入力の仕事、私やっちゃダメ?」

「は?」



顔をあげるとAが真剣な顔で俺を見てる。

そりゃ紹介出来たら
喜んでもらえるから俺もありがたいけど。



「え?だって店は?」

「ランチ終われば私いなくてもいいし」

「…あ、そ?」



でも、よこーさんに言わなくていいわけ?

「あ、渉にはちゃんと言うよ?」

Aが気づいて言うけど。



なら何で今聞かないわけ?店暇なのに。



「そしたら後で時給とか細かい条件聞いてLINEするよ」

「うんっ」



嬉しそうに笑うAに後で条件を送ると
その日の夜に『やりたい!渉にも許可取ったー!』って返事が来る。

取引先だから心配だったけど
2,3日して様子を聞くとAも取引先も喜んでるからどっちにもいいみたい。



ただ不満そうなのはよこーさん。

昼メシ時に食いに行ったら
すげー顔でこっちを睨んでくる。



…わっかりやすー。



前にAに本気なの?って聞いたら「決めるのはAだから」って言ってたのに。

やっぱりAに本気なんじゃん。



つーかAもAでいいわけ?
よこーさんの事好きなんだろ?

聞こうと思ってパート先に行くと
事務所の机で仕事前に真剣に何かを読んでるから

「よっ」

声を掛けたら

「あ!ミツさんっ」

顔を上げて閉じた冊子が『住宅情報』のフリーペーパーだった。



「………え?」

「ん?…あー、参考までにね。今いくら位なのかなーって」



Aは笑ってるけど。

…ぜってー嘘じゃん。
そんなに真剣に読んでんのに?



これ、Aはよこーさんと離れようとしてるな。

さすがに気づいた。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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